【眺めてみれば】#41 里坊稲荷神社の鳥居(筑北村坂北)

のどかな山あい26基連なる

里坊(さとぼう)稲荷神社に続く参道に連なる鳥居26基。のどかな山あいで昔のたたずまいを保つ光景は、どこか懐かしい。
村によると、同神社は慶応元(1865)年、朱塗りの「千本鳥居」で知られる伏見稲荷大社(京都府)から分社した。一帯の手入れをしているのは地元の青柳区。峰村佳秀区長(75)は、「今は歯抜けになってしまったが、昔はもっと多くの鳥居が並んでいた。区の守り神と伝わるキツネに感謝の気持ちを込めて、住民が鳥居を奉納したという話も聞いた」という。
五穀豊穣(ほうじょう)や商売繁盛を願う春祭りに合わせて7年目に1度行う奇祭「狐の嫁入り」は、キツネの花嫁や仲人の女性役らに扮(ふん)した男性が、山車やおはやしとともににぎやかに練り歩く一大行事。今年3月の予定だったが、高齢化や人口減少による担い手不足などで、今回は行わないことに決めた。