松本の画家・安田理子さんが描く“白龍”

宇宙を思わせる空間で、輝きを放つ「白龍(はくりゅう)」が渦を巻く。その痕跡には無数の円の集合が、大きな円を描く。竜が宇宙の「底」から、すさまじい勢いでこちらに向かってくるようでもある。
画家・安田理子(みちこ)さん(48、松本市笹賀)の最新作「愛」だ。創作上のモットーは「構成などは考えず感覚に従う」。目の行く場所、手の動く場所に筆を運び、あとは「感覚が描く」という。
全く絵の心得のなかった安田さんが描き始めたのは十数年前。突然「描きたい」という衝動に駆られた。以降、絵が自己表現の手段になった。
「絵に限らず、自分の感覚を楽しみ表現するものがあれば、心が豊かになり、それが平和な世界につながるのでは」。安田さんの願いだ。