理学療法士・新江さん 松本に「自費リハビリとなり」開業

自費でリハビリテーションを行う施設「となり」が、松本市出川町にプレオープンした。医療保険では日数に限りがあってリハビリを続けられない人もいる。継続して専門的な指導を受けられるように|と考えた理学療法士の新江(しんえ)大輔さん(42、同市蟻ケ崎)が開業、施術する。「年を取った時にベッドの上で天井だけ見て暮らす人を減らしたい」という。
リハビリは、体の調整やリラクセーションが目的の整体やマッサージと違い、医学的に体の状態を把握して機能の向上を目指す。「となり」では、筋肉をほぐすマッサージやストレッチ、筋力トレーニングなどのエクササイズを導入。生活スタイルを変えて痛みを和らげるなど、一人一人の症状を丁寧に見てアドバイスする。医療保険や介護保険を使わないため、納得するまでリハビリができる。
総合病院で働いていた頃、新江さんは気になっていた。「例えば転んで骨折して入院した人が、リハビリを経て退院しても、再入院することが多い」。退院中に何をしていたか聞くと「普通に生活してただけ」という。
再入院を減らすには、生活の場の近くでリハビリをする必要があると考え、地域のクリニックに転職した。
だが、そこでも医療保険等の日数制限の壁があった。「もう少し続けてほしい」「生活スタイルを変えれば痛みが和らぐのに」と思うケースも。保険適用日数を超えた「リハビリ難民」もいた。
松本市内では自費リハビリ施設が見当たらず、東京の施設を視察。必要性を確信して「となり」を開業した。現在、肩や腰、膝の痛みを抱える人、脳卒中後の人、産後の人などが訪れている。「自費リハビリが広がり、いずれは保険適用期間が長くなるなど社会が変わることを願っている」と新江さん。
4月の本格オープンまでは土、日曜の午前7時から午後9時まで営業。1日5人の完全予約制。60分8千円。問い合わせはこちらから。