有線放送電話農協が歴代機器などを大町エネルギー博物館に寄贈

大町市有線放送電話農協(大町)は、加入者宅などで使われていた歴代の電話機や、アナウンサーがかつて取材に使った持ち運びできる録音機器など全9点を、市大町エネルギー博物館(平)に寄贈した。同市の情報通信の歴史を伝える史料として、同館は冬季休館明けの4月以降に展示公開を予定している。
スピーカーと一体になった電話機は、地域内通話と音声放送の機能を備える有線放送電話を象徴する機器。昭和30年代から2001(平成13)年まで使われた4種類がそろう。
この他、「ブレスト」と呼ばれる電話交換手が使ったヘッドホン式の送受話機、有線柱(有線放送の電柱)に付けられた番号札などもある。
同館は22、23年、同農協の創立50周年にちなんだ特別展を開催。戦後、電話の普及が遅れた農山漁村などで急速に広がり、地域の情報伝達に貢献してきた有線放送電話の歴史や伝達方法を今後も長く伝えてほしいと、同農協が寄贈を申し出た。
同農協の西山隆芳副組合長は「通信網が著しく発達した現在だが、地域のニーズに応え続けるこういった伝達手段を大勢に知ってもらいたい」。同館の上原達宏館長は「動かなくても実物の資料の価値は高い。有効に活用させていただく」と感謝している。