史実解明に迫る展開 歴史小説「まつもと物語」自費出版

松本市の原茂義さん(69、神田1)は、歴史小説「まつもと物語」を自費出版した。1959(昭和34)年を舞台に、松本市役所で働いて2年目の主人公が、ある古文書をきっかけに戦国時代と今を交差しながら歴史をひもといていくストーリーだ。
城の歴史に詳しい博物館学芸員や歴史教師、大学教授からの説明を基に、史実解明に迫る展開となっている。
武田信玄が甲斐と越後を結ぶ中間拠点として松本を制し、深志城(松本城)に目をつけ城周辺を整備したことが城下町のベースとなり、市の発展につながったことなどがつづられている。
また、松本城を構築し初代城主となった石川数正にまつわる戦国武将たちの登場も興味をそそる。巻末には往時の松本城や復元図、昭和の街並みの写真も収めた。
「生まれ育った松本市と松本城はどのようにしてできたのか」という疑問を長年抱いていたという原さん。「地元のことを深く掘り下げることで知り得たことがたくさんあり、それを皆さんにも知ってもらえればうれしい」と話す。
出版は2冊目。希望する松本近郊の中学・高校、図書館に寄贈する。A5判、295ページ。原さんTEL090・1475・1850