外国人観光客と飲食店をつなぐ「オイシー・フード松本」始動

外国人の旅と接客 もっと楽に

飲食店と外国人観光客をつなぎ、松本の食を広くPR、地域全体でおもてなしを─。英語版飲食店ガイドのポータルサイト「オイシー・フード松本」が今夏、スタートする。準備を進めるのは、飲食店や中心市街地を活性化しようと活動する「まつもと城町バル実行委員会」だ。
どんなメニューを提供するのか分からず、店を決められない外国人観光客がいる半面、店側も外国語対応が追いつかず、選んでもらえないといった不都合を解決する。
ますます増加しそうなインバウンド。食は旅行の中で、満足度を高める重要なポイントであり、松本にいい印象を持ってもらう一助にもしたい考えだ。英語圏のリピーターや口コミ客の増加を期待する。

メニュー英語で 登録店にも提供

昨年春、夕食時に店を決められず歩き回る外国人の家族連れなどを見かけた。英語のメニューがあっても、写真がなかったり、アレルギーや宗教上食べられないものについて質問されても答えられなかったりといった状況も耳にした。「それがポータルサイトをつくる出発点になった」と、まつもと城町バル実行委の関郁美代表(58)は振り返る。
焼き鳥、肉、和食などカテゴリーで分け、店名、地図、営業日時、電話(英語の可否)、URL、SNSといった基本情報を盛り込む。メニューや写真を入れ、より分かりやすくする。紹介は全て英語だ。名物、季節ものなどでの検索も可能にする。
スマートフォンでは、現在地からの地図検索も可能にする。登録店舗には英語版メニュー表を作成、印刷して提供するといい、8月のスタート時には、20店の登録を目指す。
外国人観光客は食べたい物が見つけやすくなり、店は接客がしやすくなる。「オイシー・フード松本」のポスターと一緒に、QRコードも外に掲示。読み込めばメニューが分かるようになるという仕組みだ。観光や宿泊施設にフライヤーを置き、利用を促す。
利用者の評価やコメントも書き込めるようにする。「食べていくべき松本の食」といった特集でアーカイブする企画も予定する。将来は安曇野、長野など県内外に広めていく考え。飲食はとっかかりとし、土産、ストリートグルメなど、旅が面白くなる要素を盛り込んだポータルサイト作成も視野に入れる。
関代表は「周知がこれからの課題。松本をリピートして訪れるきっかけになればうれしい」。「おいしい!」と言いながら街中を歩いてほしいと願う。
登録申し込みなどは実行委TEL080・3354・4686