トマト農園を引き継ぐ!石曽根翔さん

安曇野市豊科高家のトマト農園「マジアマファーム」で、石曽根翔さん(34)が後継者として栽培管理を任されている。同ファームで働き5年目。堅実に作業に取り組み収穫の最盛期を迎える。
広さ約1500平方メートルの農業用ハウスに3300本のトマトが連なる。4月下旬からの繁忙期を前に、石曽根さんは「気合を入れていきます」と表情を引き締める。
石曽根さんは実家が同ファームの近く。夜はJR豊科駅近くの居酒屋で働く。5年前、同ファーム社長の丸山保義さん(70)から誘われ、手伝い始めた。摘花と誘引、脇芽取りをほぼ一人で担当している。「農業は初体験。仕事のペースを作物に合わせるのが大変だが、“去年よりうまくできた”など成果が見えるのがやりがい」という。
同ファームは丸山さんが1994年、「あづみ野ファーム」として設立。昨年、トマトを「マジアマ」で商標登録し、社名もマジアマファームに改称した。高糖度ミニトマトの「マジde(デ)あまいトマト」を栽培、販売する。
50歳で会社員を退職し本格的にトマト栽培に取り組んだ丸山さんは、数々の苦難を乗り越え経営を軌道に乗せた。現在は収穫時に、パート従業員数人が働く。長男が教員となったので、後継者を思案していた。石曽根さんの人柄や作業の正確さに「ゆくゆくは農園を任せたい」と決心した。
石曽根さんが加わったことで、ブルーベリーの販売も今年から力を入れられるようになり、5年後をめどに経営に参画してもらう予定。丸山さんは「小規模で密度の濃い経営を目指してきた。人を大切に次を見据えて勉強してほしい」。
石曽根さんは「今できること、学べることに集中し、できることを増やしていくのが当面の目標」と話す。