碌山命日に思いはせて 22日碌山美術館 薩摩琵琶演奏やトーク

安曇野市穂高の碌山美術館は、荻原碌山(本名・守衛、1879~1910年)の命日にあたる22日、「碌山忌」として薩摩琵琶の演奏やギャラリートークなどを開く。終日(午前9時~午後5時10分)無料で、碌山の作品や企画展も見られる。
今年が初めてとなる薩摩琵琶の演奏は午後2時~3時半で、神奈川県鎌倉市の坂麗水(ばんれいすい)さんが出演。碌山が平家物語の一部に材をとって制作した作品「文覚(もんがく)」にまつわる演目を主に弾き語る。
文覚に関する話は2席。「文覚発心(ほっしん)」は、平安時代の武士・遠藤盛藤が、恋い慕っていた人妻を誤ってあやめたことを悔いて出家し、文覚となって荒行をする物語。「文覚と頼朝」は、荒行を終えた文覚が源頼朝に挙兵を促す話という。
碌山の「文覚」は、人妻に恋した文覚と、同じく人妻の相馬黒光(こっこう)に憧れる自分を重ね合わせて作ったといわれる。坂さんは最後に「耳なし芳一」も語る。同館の幅谷啓子館長は「薩摩琵琶の演奏から、碌山の作品に思いをはせてもらえたら」と言う。
他にアルプホルンの演奏や、地元有志のコンサート、館学芸員による碌山作品のミュージアムトークなどがある。午後6~8時は「碌山を偲(しの)ぶ会」(同会のみ有料で千円)を開く。問い合わせは同館TEL0263・82・2094