表現力や身体機能向上「リトミック」音楽に合わせて体動かそう

音楽に合わせ、体を動かして表現力を養う教育法「リトミック」。赤ちゃんから高齢者まで幅広い世代が楽しみながらでき、音感やリズム感が高まるだけでなく、身体的・認知的機能の改善にも効果があるといわれている。昨年12月から、出張教室などを開いている松本市の「栗っ子音楽教室」代表の中嶋沙樹さん(40)に話を聞いた。

年齢に合わせ気軽に楽しく

ピアノの演奏やCDから流れる音楽を通してその音を、「聞く」「音だと認知する」「考える」「体を動かす」が、リトミックの基本的な流れ。
音を聞いてどんな動きをするのか考えたり、集中して聞いたりするため、「脳を活性化させ、やる気や忍耐力、集中力や想像力など、非認知能力を高めるのにも効果的です」と中嶋さん。
リトミックは子ども1人から、集団でも実践することが可能なため、幼児教育の現場などでも取り入れられている。
5日に松本市内で開かれた教室には、生後8カ月の赤ちゃんとその母親が参加した。まだ歩くことができない乳児の場合は、保護者が抱っこして中嶋さんが弾くピアノの曲に合わせて、体を揺らしたり楽器に触れたり。こうやって音楽の心地よさを体感する。
また、成長度合いや年齢などに合わせてメニューが変わるのも特徴。「歩く」や「走る」など、できることが増えると、音が止まると同時に体の動きを止めたり、音の高低、リズムの速さなどの変化に合わせて、表現方法も変えたりする。音に対する反応の種類を増やしていくのだ。
なかなか外出できない高齢者でも気軽に楽しむことができ、気分をリフレッシュさせたい人などにもお勧めという。

「まずは音楽が好きという気持ちを育てたい」と中嶋さん。教室では、音楽を聞くこと以外に、四季の要素を取り入れ五感を刺激するさまざまなメニューもある。季節の花々や木の実を使って音符をかたどったり、夏は水鉄砲でリズムに合わせて的を狙ったり。こうしたユニークな取り組みからも豊かな「表現力」を養っていく。
中嶋さんは「子どもたちの興味を引き出し、楽しいと思ってもらえる場にしたい」と、願っている。
7月9、12、13日に「未就学児向けリトミック教室」を安曇野市豊科高家のANCアリーナ横の広場で開く。各回40分。参加料2千円。問い合わせはメール kurikurimusicsaron20231201@gmail.com