【ビジネスの明日】#78 リニア電気工業社長 間瀬大吾さん

父の姿を理想に業界の顔目指す

「会社を継続、拡大するために、できる工事の幅を広げなくては」。こう語るのは電気工事などを手がけるリニア電気工業(松本市島内)の間瀬大吾社長(44)だ。創業者の父から会社を継いで丸10年。業績は右肩上がりで「さらに信頼度を高めていきたい」と意欲を見せる。
同社は2023年、松本城の防災設備を整備する工事で、電気設備工事を担当し、松本市から「優良建設工事表彰」を受けた。
こうした創業時から続く電気工事で信頼を築く一方、約10年前から、工場やビルなどに計測機器や制御機器を設置、配線し、自動制御システムを構築する専門的な計装工事にも注力。その結果、現在は電気と計装が同社の2本柱になった。
さらに、空調設備の設置や水回りの給排水など、パイプや配管を使って空気、水などを運ぶための設備を整備する管工事も手がける計画。そのために自身が1級管工事施工管理技士の資格も取得した。
「例えば、電気工事が全くなくなることも考えられる。そうした時に、会社を存続させる選択肢を持っていなければ」とした上で、「会社の幅を広げれば、自然と会社の規模も大きくなる」と経営者として先を見据えている。

今は亡き父・悟さんの働く姿を見て育ち、物心ついた頃には「この会社を継ぐ」と決意していた。そして、その時は突然訪れた。2015年、悟さんが急逝。66歳だった。
いきなり会社のトップに立つことになり、「分からないことが、分からなかった」ほど混乱。しかし、先代社長を慕ってきた年上の社員らも、若き後継者を見限ることなく「頑張れ」と激励してくれた。その恩に報いるという一心で踏ん張ったという。「社長になった最初の2カ月の記憶はない」と振り返る。
親分肌だった父は、今でも憧れの存在。「業界の『顔』になれるような人物を目指す」。憧れの背中を追っていく。

ませ・だいご 1981年、松本市島内出身。松本工業高、松本大松商短期大学部卒。リニア電気工業に就職し、約8年間、ビル管理システムの外資系企業に出向。2015年社長就任。