松本市の出居番丸西で月1回の食事会「米はある!」  知らない人同士の集いの場

「誰もが集える学びの場」を掲げる松本市城東1の「出居番丸西」で毎月最終水曜の夜、皆で食事をする「米はある!」が開かれている。参加無料で出入り自由。ご飯は主催者が用意し、おかずが必要な人は各自持ち寄る。知らない人同士が食事をしながら話す「つながりの場」だ。
発起人は戯曲作家・演出家の藤原佳奈さん(38、同市大村)。「福祉的な意味合いや被災者支援といったものではなく、緩く広く自由につながる空間を目指している」という。
きっかけは、2024年1月の能登半島地震で被災した友人の言葉だ。「どんな避難グッズよりも、地域のつながりが日常的にあるかどうかが力になる」。これを聞き、松本でも集える場をつくりたいと探したところ、親交がある上田市の民間文化施設「犀の角」の「むすびの日」を見つけた。
毎月13日に集まった人が食事を作り、交流する「むすび─」に参加し、「松本の居場所を考える」というテーマで意見を求めると、松本と上田では地域性や人の集まり方などに違いがあることが分かった。
そこで松本の現状を踏まえた現在のやり方で2024年10月にスタート。会場は不登校の子どもらの居場所やコミュニティースペースの出居番丸西にし、コメは藤原さんの友人が作る物や寄付を利用。毎回約1升を炊く。
「さまざまな人が互いの個人情報を知らないまま、共にご飯を食べるという行為が、新たなつながりを生み出す不思議な空間になった」と藤原さん。多い時は40人近くになったことも。2月の回で3度目の参加という徳橋早紀さん(21、松本市桐)と川島ゆいさん(23、同市大村)は、「知らない人ばかりだったけど、楽しかったのでまた来た」。
藤原さんは「ここを参考に、別の場所や県外で形を変えた取り組みが始まるなど、影響の大きさに驚いている」とし、「今年は自分たちでお米を作るところからやってみたい。もっと広がり、毎日どこかでご飯が食べられるようになったらいいなと思う」と話している。
次回は3月25日午後6時半~9時ごろ。開催情報などは出居番丸西のインスタグラムに。