生徒増へ初の合同発表会 中信地方のバレエ3教室が新たな魅力発信へ 9月松本で

少子化に悩むバレエ教室の新たな挑戦だ。
松本市城山のバレエスタジオフェッテ、松川村のバレエスタジオナディア、松本市島立のアンナバレエスタジオは9月22日、初の合同発表会をキッセイ文化ホール(同市水汲)で開く。
教室を横断した取り組みは県内でも珍しい。利点として、出演者が増えることで舞台が華やぐほか、物語性のある作品を第1幕から最終幕まで全てを上演する「全幕公演」が可能になり、出演者にとってより充実した発表会になるという。
少子化で生徒数の減少がバレエ教室の喫緊の課題になる中、横のつながりを強化することで、バレエの魅力をより広く発信でき、新たな生徒獲得にもつながる可能性が高まる。
関係者は「これを機に、中信地方の教室が活性化すれば」と口をそろえる。

充実した舞台で魅力伝えたい

今回の合同発表会の名称を「Fouette」「Anna」「Nadia」の各教室名の頭文字をとって「FAN合同発表会」とした。21日、三つの教室の高校生以下の生徒約20人らが松本市島内のラーラ松本に集まり、初めての合同レッスンを行った。
冒頭、合同発表会のメイン演目で全幕公演する「くるみ割り人形」の配役を発表。生徒たちは、壁に張り出された自分の役を緊張した表情で確認した。
主役の「クララ」は共にナディア所属の茅野陽向さん(松川小6)と田村恋乃子さん(大町岳陽高2)に決定した。
4歳からバレエを始めた茅野さんは、「主役に選ばれ、すごくうれしい。本番までに役になりきれるように頑張りたい」と意気込む。子どもの出演者の中で最年長になる田村さんは「みんなを引っ張りながら、自分が今までやってきたことを出せるようにしたい」と抱負を語った。
配役発表後、約2時間のレッスンを行った。

教室代表の3人 共通の危機感じ

「今後のバレエ教室のためにも、何か一緒にやりたいね」
フェッテの宮内ひとみ代表(51)、ナディアの井上望代表(42)、アンナの降幡杏奈代表(39)は、それぞれ同じ思いを抱いていた。コンクールや発表会などで、顔を合わせて情報交換などはするが、それ以上の発展はなかったというバレエ教室同士の横の関係。
2008年設立のフェッテは子どもの生徒はピーク時に約50人いたが、現在は半減し、大人の方が多くなった。15年設立のアンナは生徒数約20人で頭打ち状態。18年設立のナディアは、4、5年前に生徒数40人以上だったが、今は微減している。
3教室とも子どもの生徒確保に苦戦。少子化を考えると「これから子どもの生徒が増えることは考えられない」というのが、3人共通の危機感だった。
昨年9月、「合同発表会」を開くことで合意。2月に初めて生徒たちの顔合わせをし、3月に「くるみ割り人形」のオーディションを行った。9月の本番に向け、月1回程度、定期的に合同レッスンを行い、チームワークを高めていく。
井上さんは「どこの教室も人数が減り、集団での踊り『コール・ド・バレエ』ができなかったが、大人数なら可能になる。調和や協調を学ぶこともできる」と合同発表会の意義を強調する。
降幡さんは「少人数になると、どうしてもコンクールがメインの目標になる。順位や結果が気になってバレエを楽しむことができなかった子どももいたのでは」と生徒たちをおもんぱかった。
教室の横のつながりを強くする機運が高まれば、複数の教室で新たな団体をつくり、発表会の充実や発信力の向上につなげる構想もある。
宮内さんは「この取り組みを通じ、バレエの『敷居が高い』というイメージを払しょくし、興味を持ってくれる人を増やしたい」と期待する。
現在、FAN合同発表会の「大人バレエ個人部門」の出演者を募集中。詳細はこちらから。