【像えとせとら】長峰山歴史の塔(安曇野市明科中川手)

下に埋まる「物 」を掘り起こす年

安曇野や北アルプスが見渡せる、長峰山山頂(933メートル)にある高さ約10メートル、幅約5メートルの鉄製のモニュメント。巨大な知恵の輪のような姿で、相当な存在感だ。「これは一体なに?」と思った人も多いのでは。
市役所と市観光情報センターに尋ねると、その名も「歴史の塔」。いわゆる「明治100年」(1968年)を記念し、当時の明科町商工会が71(昭和46)年12月に設置した。
塔の形状や色には意味がある。土台の逆U字は「過去」で、戦争を経験した人たちのつらい思いを茶褐色で表現。「現在」を表す真ん中の長円の輪は緑色で平和を、最上部は街の発展など輝く「未来」を銀色で、それぞれ示している。
塔の下にはタイムカプセルが埋められ、当時の明南、明北小学校6年生が書いた作文や、町の写真などが入っているらしい。50年後に掘り起こす計画だったといい、今年がちょうどその年だ。しかし、取材した限りでは「掘り起こす」という話は聞かなかった。どうなるのだろう?
山頂に至る車道は12月~3月中旬は冬季閉鎖で、現在は車で行くことはできない。麓から歩いて登ることはできるが、積雪時などは滑りやすいため注意が必要だ。桜が咲くころがベストと聞いたので、春になったらまた、山頂一帯からの絶景を見に行こう。