【ガンズリポート】連敗ストップ 練習積んだ戦術 守備固めロングボール 残り4試合

38節・7日   山雅1-1新潟

7日のアルビレックス新潟戦で松本山雅FCは守勢に回ることを織り込み、攻めは縦のロングボール主体に徹した。狙い通りの展開から先制し、連敗を5で止めた。
新潟戦を前に名波浩監督は語っていた。「ボールを取ってもすぐ奪われ、守備の時間が長くなるかもしれない」
その通りになった。新潟がボールをつなぎ、山雅は後ろめの布陣で耐えた。5人のDFに1人の守備的MFという形で対応。奪ったボールは早めに、180センチ台半ばの2トップ、伊藤翔と榎本樹を目がけて放り込んだ。
先制点は、DF常田克人のロングボールからだった。伊藤、榎本が頭でつなぎ、敵陣深くへ。いったん奪われたが、榎本がしつこく追い、こぼれ球がMF佐藤和弘へ。ミドルシュートが決まった。
DFのロングボールは、名波監督が付きっきりで指導していたことだ。5日は、全体練習の後に常田、野々村鷹人、宮部大己、星キョーワァンが集められた。名波監督が出したボールを受け、相手陣深くに蹴り込む。
狙ったところに行くと、名波監督が「1ポイント!」と叫ぶ。外れると「ゼロ」、「マイナス1」のときも。選手はガッツポーズしたり悲鳴を上げたり。楽しみながら、精度を上げる訓練を繰り返した。「FWが走り込んだところに流し込むイメージ」と野々村。この週の練習から力を入れ始めたという。
新潟戦は、GK圍謙太朗を含め、自陣からFWを狙い続けた。終盤に伊藤が疲れると、184センチの星がベンチから送り込まれ、前線で的になった。
「球際も戦える11人を送り出した」と名波監督。気迫を前面に出した戦いぶりは、今季最多の7750人が入ったサンプロアルウィンで、最後まで拍手の後押しを受けた。
残り4試合。チームは14日のヴァンフォーレ甲府戦に向け、練習を積んでいる。