【野遊びのススメ】#34 乗鞍高原でシャワークライミング

渓谷の躍動感自然を満喫

水しぶきを浴びながら渓谷をさかのぼる「シャワークライミング」。水の清涼感で猛暑から開放されたい!と、乗鞍高原(松本市安曇)でアウトドアツアーを行う「LittlePeaks(リトルピークス)」の「沢登りコース」に参加した。
ツアーは大野川の支流、小(こ)大野川にある三つの滝を通りながら、全長約500メートルを2時間半ほどかけて上っていく。この日は記者と東京から訪れた20代のカップルの計3人。リトルピークス代表の小峰邦良さん(41)とスタッフの奥田祥希さん(23)がガイドに付いた。
ウエットスーツや専用靴、ライフジャケット、ヘルメットを着用(ツアー代に込み)。渓流を安全に登るための注意点は▽岩のへそを踏む▽四つ足動物になったつもりで手と足を使って歩く─などを教わり、旧鈴蘭橋近くからスタートした。
午後で水温は上がっているというが12度ほど。膝下を入れただけで「ひやぁ~、冷たい」と参加した3人。まずは体慣らしということで渓流に浮いてみた。
小峰さんの冗談を交えた軽妙なガイドで進む。歩き方や水温にも慣れたころ、一つ目の滝に着く。高さは5メートル以上。2メートル超の岩に立って滝つぼをのぞくと、ごうごうと水が流れ水しぶきが舞う。ただただ圧倒されていると、「はい、飛び込んで!」と小峰さん。

滝ダイブ恐怖心は一転爽快感に

滝ダイブ初体験の記者は下を見ただけで足がすくみ、かなり怖い。へっぴり腰で「神様~」と願うような気持ちでザブン!恐怖心が一転して爽快感に変わった。カップルは空中で回転しながら何度も飛び込んでいた。
二つ目の滝では岩にしがみついて横移動する「へつり」も体験。三つ目の滝は、流れに対して岸から斜めに進む「フェリーグライド」で滝つぼまで泳いだ。スタッフは、滝の個性を捉えてそれぞれ「スズラン青滝」「オオイワナの滝」「シシガミの滝」と呼んでいるという。
急流で流されないよう必死に登ったり、滝のミストでマイナスイオンを感じたり。地形や動植物など自然環境の情報も盛り込んだツアーで、あっという間に終了。「乗鞍岳の源流から流れてくる雪解け水をダイレクトに浴びられるのが魅力。いつもと違う乗鞍の楽しみ方を知ってもらえれば」と小峰さん。
渓谷の躍動感を味わい、青い滝や魚が見える川など乗鞍高原の自然にも触れられた。次はもっと格好良く滝ダイブに挑みたい、とリベンジを誓った。

【リトルピークスのツアー】9月中旬まで。午前と午後の2部制。小学生から参加できる「ファミリーコース」と中学生以上向けの「沢登りコース」がある。参加費は小学生4400円~、中学生以上6500円~。問い合わせはTEL0263・93・1243