夏場の弁当 注意することは

梅雨から夏を迎えるこれからの時季、高温、多湿状態が続き、食材が傷みやすくなる。特に作ってから食べるまでの時間が空く弁当は食中毒に注意したい。MGプレスで「部活弁この1品」を連載している管理栄養士の上條治子さん(57、松本市)に、夏場の弁当作りの注意点やお薦めのおかず3品のレシピなどを教えてもらった。

【注意ポイント】
食中毒の予防は、菌を「付けない」「増やさない」「やっつける」が原則。
▽付けない
(1)調理前にしっかり手洗い。手を拭くタオルも清潔な物を。
(2)素手でおかずに触らない。おにぎりなどは、ラップや使い捨て手袋で握る。
▽増やさない
(1)水分が多いと細菌が増えやすい。おかずの汁気は切る。
(2)塩や砂糖が食材の水分を吸収。味付けは濃いめに。
(3)ご飯やおかずが熱いままだと、蒸気が水分になる。冷まして詰める。
(4)保冷剤や保冷バッグを活用する。
▽やっつける
(1)弁当箱や調理器具は、洗ってから塩素系漂白剤などで消毒し、乾かして使う。食品用アルコールも効果的。
(2)おかずは中心部まで火が通るように加熱する。

【夏の弁当に不向きなおかず】
▽おかずをのせたご飯や、まぜご飯など(おかずの水分や具材で傷みやすくなる)
▽水気が多い煮物(細菌が増えやすい)
▽へた付きミニトマト(へたに細菌が多いので、取って洗う)
▽半熟卵(サルモネラ菌に汚染されているものもあり、中心まで加熱を)
▽マヨネーズあえ(マヨネーズは要冷蔵食品。常温での夏場の使用は控える)

【夏の弁当にお薦めのおかず】
▽殺菌効果のある食材の活用(ニンニク、ショウガ、ハーブ類など。弁当の仕切りに大葉を使っても)
▽梅干し、ゆかりの活用(ご飯にのせたり、振りかけたりする。梅干しのクエン酸に殺菌効果があるといわれている)
▽スープジャーの利用(冷たい汁やスープを入れたり、ゆでたそうめんを弁当容器に、つけ汁をジャーに入れたり)


◆炒り鶏

【材料2人分】
鶏もも肉…150㌘
レンコン…100㌘
ゴボウ…50㌘
ニンジン…50㌘
こんにゃく…1/4枚
シメジ…25㌘
スナップエンドウ…2房
油…大さじ1
だし汁…100cc
砂糖、しょうゆ、酒…各大さじ2
七味…お好みで
【作り方】
(1)鶏肉は2㌢角に切る。
(2)レンコンは3㌢の乱切り、ゴボウは小さめの乱切りにして下ゆでしておく。ニンジンは乱切り、こんにゃくは1㌢角に切り下ゆでしておく。シメジは石づきを取り、ほぐしておく。
(3)スナップエンドウは筋を取り、沸騰した湯に塩(分量外)を入れてゆでる。冷まして縦に割る。
(4)厚手の鍋をよく熱し、油を入れて鶏肉を炒める。焼き色が付いたら②を入れて炒める。だし汁と調味料を入れて汁がなくなるまで煮る。
(5)皿に盛り、スナップエンドウを添える。好みで七味を振る。

◆パプリカのマリネ

【材料2人分】
赤、黄パプリカ…各1個
白ワインビネガー…大さじ2
砂糖…小さじ1/2
塩…小さじ1/4
黒こしょう…少々
オリーブオイル…大さじ2
スパゲティ…適宜
【作り方】
(1)パプリカは半分にして種を取り、グリルで8分(オーブントースターなら15分)焼く。
(2)マリネの材料をボウルに合わせておく。
(3)焦げたパプリカは水の中で表面の皮をさっとむき、水気を切り、食べやすい大きさに切って(2)に入れて合わせる。
(4)20分ほどおいて、味がなじんだら出来上がり。
※パプリカは焼くことによって甘みが増します。弁当に入れる際は、下にゆでたスパゲティなどを入れると水分を吸収してくれます。

冷やし中華

【材料2人分】
中華麺2玉、たれ2パック(3人分1袋など市販されているもの)
モヤシ(できればひげ根を取る)……80㌘
ごま油…小さじ2
キュウリ…1/2本
ハム…4枚
ミニトマト…6個
錦糸卵(市販品を利用しても可)
卵…1個 砂糖…小さじ1 油…小さじ1
※ゆで卵、エビ、カニかま、ツナ、チャーシュー、豚しゃぶ、蒸し鶏、サラダチキン、レタス、カイワレ大根、ニンジン、シメジなど具材は自由
【作り方】
(1)鍋に湯を沸かし、中華麺をゆでる。指定のゆで時間の残り30秒前にモヤシを加えてゆで、ざるに上げて冷水に取り冷やす。
(2)(1)の水気をしっかりと切り、ごま油をまぶす(麺がくっつくのを防ぎ、風味も加わる)。
(3)キュウリ、ハムは千切り、ミニトマトは輪切りにする。
(4)(2)を弁当容器に入れて、(3)と錦糸卵をその上にきれいに盛り付ける。
(5)冷凍しておいたたれを保冷剤と一緒に持っていく。
※たれを冷凍して、保冷剤と一緒に持っていくことがポイント!食べる頃には解凍されているので、麺にかけて食べます。