実演動画がスマホに届く!「塩尻健康ライン」―運動習慣身に付ける機会に

「塩尻健康ライン」配信動画の一場面

LINE(ライン)に運動が届く!―。塩尻市が運営する「塩尻健康ライン」のキャッチフレーズだ。登録すると、週1回、運動の実演動画が手元のスマートフォンに送られてくる。体力維持を目的に専門家が考案した、どれも5分足らずの簡単なもの。運動習慣を身に付けるハードルを下げようと、1年前に始まったサービスだ。

個人運動の充実に期待
健康運動指導士2人が週替わりに登場

リンクから、LINEで同市長寿課介護予防係と「友だち」になると、毎週水曜の午前10時をめどにメッセージが届き、それを開くと、すぐに動画が見られる。
主に出演するのは、松本市などで活動する健康運動指導士の永井肇さんと西山知花さん。週替わりに登場して、笑顔のあいさつから始まり、自ら考えた運動を実演。短い時間でできることは少ないため、腹筋、太ももなど、毎回、鍛える部位を絞った運動を提案する。
「易しめで、取り組みやすい運動にしてもらっている」と、運営を担当する同係の牛山将太郎さん(27)。1人で手軽に運動できることを最優先にしている。
以前から、高齢者が施設に集まって運動する企画はあった一方、個人でも運動してもらえるように工夫することが課題にもなっていたという。また新型コロナウイルスの感染拡大で、さらに非対面の運動機会の必要性が増した。
その一策として昨年4月に立ち上げたのが、このサービスだ。
LINEで運動動画を紹介する取り組みは、既に他の自治体でもあったが、LINEから動画投稿サイトに誘導する仕組みだった。それに対し塩尻版はLINE内で完結。「すぐ見られて、実践できることにこだわった」と、力を込める牛山さん。
「5分の運動で体力を維持するのは難しいが、運動を始める取っかかりにしてもらえれば。毎週、定期的に見ることで、意識付けにもなる」と話す。
サービスの対象年代は65歳以上としているが、厳正な制限はない。誰でも「友だち」になれ、塩尻市民以外も利用できる。現在、400人ほどが登録している。
動画の他に、イベントなどの健康情報も盛り込んでいる。牛山さんは「動画をきっかけに対面指導の教室への参加を考えてもらえたらいい」と期待している。