【ガンズリポート】マッチレビュー12節・3日山雅5-3相模原 DF宮部意地の連敗止め

柔軟性生かした守備チーム力押し上げ

松本山雅FCは、逆転負けした前節の鹿児島ユナイテッドFC戦から先発を5人入れ替え、連敗を2で止めた。今季初先発した副主将のDF宮部大己は、キャプテンマークを巻いてフル出場。持ち前の守備力を発揮し、霜田正浩監督から「今日一番活躍した選手」と評価された。
鹿児島戦は、1対1の対応のまずさもあり失点を重ねた。ベンチ外だった宮部は課題を胸に「1週間、練習に取り組んだ」。満を持して右サイドバックに入った。
自陣深くで対峙(たいじ)した相手選手に、ほとんど満足にプレーさせなかった。クロスを防ぐだけでなく、ボールと相手の間に体をねじ込んだ。「自分の強みは柔軟性。体勢が崩れても対応できる」と話していた、特長を生かしたボール奪取だ。
1対1の対応は「自身の武器」と自負する。名波浩前監督は「宮部の守備はJ1でも通用する」と評していた。この試合では左脚にテーピングをし、「体調は万全ではなかった」というが、地力を示した。
明るい性格で、練習では盛り上げ役の大卒3年目。鹿児島戦で負傷した主将のMF安東輝が不在で、もう1人の副主将MF菊井悠介も出場停止で欠いた一戦でのゲーム主将は「左腕に着けたものが重かった」。勝ちはしたが5-0から3失点した展開に、「次に向けての準備がすでに始まっている」と表情を引き締めた。
名波前監督は「ボールを奪った後の攻めが、もっと良ければ」とも言っていた。攻撃力は霜田サッカーの要点。それが持ち味のDF藤谷壮とのポジション争いが、チーム力を押し上げる。