サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場で楽しみながら「水育」

大町市の児童ら 学び深める

水はどこからきて、どこへ行くのだろう─。大町市は本年度から、飲料大手サントリーが行う次世代環境教育「水育(みずいく)」を市内の全小学校で取り入れています。4年生が対象で、大町西小の児童約30人が10月12日、「サントリー天然水北アルプス信濃の森工場」(常盤)を訪れました。

2021年に生産開始、22年に工場見学を始めた同工場は森の中にあり、遊歩道や工場を巡りながら天然水や水の未来について学べます。
学校の授業では、「水を汚さない、水を使い過ぎないためにできる工夫は何か」を考えてきた子どもたち。最初に工場のセミナールームで森と人の関わり、森が水を蓄え、きれいにする仕組みについて実験やクイズも交えて学びました。
森林の保水とろ過機能を学ぶ実験では、光が入らず土壌生物の少ない森をモデルにした「やせた土」と、森が手入れされ生き物の活動で軟らかくなった「ふかふかの土」に、それぞれ濁った水を注いで比較しました。乾燥した土は水が一気に流れ出た一方、ふかふかの土はゆっくりと澄んだ水が出てきます。「めっちゃきれい」「飲めるじゃん?」と歓声が上がりました。
「ウォーターシアター」の大きなスクリーンでは、山に降った雨が地面深くにしみ込み、およそ20年かけて天然水として工場でくみ上げられるまでを、水の視点になって体験します。
水が製品になるまでの流れをたどるコーナーは、地層の花こう岩を手に持ったり、従業員が工場に入る時にちりを吹き飛ばすエアシャワーを浴びたり。触れて体験できる仕掛けがたくさんあります。ガラス張りのモニタールームからは、工場内を整然と流れていく無数のボトルや作業員が働く様子を眺めました。
最後にテラスで、水源地の餓鬼岳を正面に北アの山々が広がる絶景を見ながら天然水を飲みました=写真(4)。
堀田一花さん(10)は「工場は思ってたのと違って、明るくて人が少ないので驚いた。ふかふかの土が水をきれいにしてくれるのが実験でよく分かった。天然水はさっぱりしてておいしかったです」とにっこり。未来に豊かな水と森を残していくために自分ができることは何だろう―。子どもたちはいくつもの気付きを持ち帰ったようです。

敷地内の遊歩道や「みずのわ広場」、グッズなどを販売している「天然水ハウス」は、予約不要で自由に散策できます。また、シャボン玉やレジャーシートなど、子連れにうれしい貸し出しグッズもあります。
工場見学は予約制(ウェブサイトか電話)。休業日は月・火曜(ほかに臨時休業、12~3月の冬季休業あり)。TEL050・3182・7911