いわいとしおさんと親子で個性豊かな部屋作り 「43かいだてのいえ」

塩尻市立図書館は1月、絵本「100かいだてのいえ」(偕成社)シリーズの作者いわいとしおさん(61、静岡県)を招き、段ボールで家を作るワークショップ(WS)を開きました。市内外から園児や小学生43人とその保護者が参加し、アイデアあふれる個性的な部屋を作り上げました。
積み上げ完成「43かいだてのいえ」

絵本は、主人公の男の子がカタツムリやヘビ、ミツバチなどいろいろな生きものに出合いながら、空まで届く不思議な家を上るというストーリー。参加者は段ボール箱にそれぞれマジックで絵を描き、クレヨンや色鉛筆で彩色。厚紙を切って立体的に作った動物や家具なども配しました。
「カエルがすむ家には雨を降らせる、魚の家なら海の中など何でもいいんです」といわいさん。子どもたちが考えた部屋はペンギン、キリン、犬、イルカ、クワガタ、モササウルス、電車、お化け…。いわいさんは扉や窓をカッターで切り抜くこつなども実演。最後はみんなが作った部屋を積み上げて「43かいだてのいえ」が完成し、全員で記念撮影をして祝いました。
吉田小学校2年の宮川彩椰(さや)さん(8)は、「リリイちゃん」と名付けたウサギの部屋を作りました。電灯もテーブルの脚もニンジンの形で、「ここは8階だからベランダに出る扉もニンジンの形だよ」。
桔梗小3年の宮下佳輔君(9)は、イグルー(雪の塊を積み上げた住まい)をモチーフにした「シロクマの部屋」。四角い雪のブロックを細かく描いたり、暖炉に火をともしたり、壁に絵を飾ったりと細部までこだわりました。「100かいだて|」シリーズは幼稚園の頃から読んでいて、WSを楽しみにしていたと言います。
年長の北村まるちゃん(6、同市広丘吉田)は雲のキャラクター「クックとモック」の部屋を作りました。壁に描かれた雲から雨が降っていたり、扉は雲の形に切り抜いたり。カラフルな部屋の中には、雲の冷蔵庫なども置き、住みやすさも追求しました。
母親の令子さん(41)は「工作が好きで、作るのを楽しみにしていました」。
桔梗小3年の中原橙花さん(9)は、ハムスターがご飯を食べたり運動をしたりする部屋を作り、「とても楽しい。本物(の作者)に会えるなんてすごい」と目を輝かせていました。
講座には201組の応募があり、サイン会も開かれました。