「雨がっぱ」の選び方

登山やアウトドアに欠かせない「雨がっぱ」。子ども用を購入する場合、何を基準に、どんなサイズを選べばいいのか迷う人もいると思います。そこで安曇野市の「モンベルあづみの店」(豊科南穂高)の榧本(かやもと)高幸店長に、選ぶ時のポイントを聞きました。

「耐水圧」「透湿性」と「撥水性」

★素材・機能
大切なのは、外からの水の侵入に耐える「耐水圧」と、内側の水分を外へ放出する「透湿性」。ハードな場面ほど高い数値が求められます。さらに「撥水(はっすい)性」があると、生地への水の染み込みを防ぎます。
高機能なかっぱの生地の多くは、水をはじく強度の高い表地と、肌触りの良い裏地で、中層の「メンブレン」(防水透湿性素材)を挟む3層構造になっています。このメンブレンに無数の細かい穴が開いていて、水滴の侵入は防ぎ、水蒸気は外に排出する機能があります。「ゴアテックス」などが使われ、価格も高くなります。
耐水圧と透湿性が高ければウエア内部が蒸れにくく、とても快適です。
高機能な物は他にも、▽水が侵入しやすいファスナー部分に防水ジッパーを採用▽縫い目をシームテープで処理▽袖口・裾から雨が入らないようベルクロで調節可能▽リュックで力がかかる肩部分に縫い目がない|など、雨の中でも長時間活動できるように工夫されています。
★サイズ
実際に中に着る服を着て店に行き、かっぱを試着してフィット感を確認するのがお勧めです。あまり大き過ぎると、余った生地が風でバタつきストレスになります。
袖や裾を折り込んで調整できるアジャスター付きだと、成長に対応しやすいです。
★色
黒やナチュラルカラーは、自然に溶け込み見えにくくなってしまいます。万が一の時に発見されやすいよう、特に上半身は明るく目立つ色を選びましょう。かっぱが暗い色の場合は、ザックカバーやリュックを明るい色にするといいです。
★着るタイミング
本降りで足元や服がぬれてしまってからではストレスになります。降ってきたな、というタイミングで早めに着るのが望ましいです。
ファスナーはしっかり上げて袖口を閉じ、フードをフィットさせてかぶりましょう。登山靴のままはけるレインパンツもありますが、基本的にはいったん靴を脱いで、落ち着いてはくことをお勧めします。
★アフターケア
ぬれた状態で長時間放置するのはよくありません。使用後は早めにタオルなどで大まかに水分を拭き取り、乾かしてください。
表面の汚れを気にしがちですが、傷める大きな原因は裏地に付いた汗や脂です。次の要領でしっかり汚れを落とすと劣化防止になります。
(1)ファスナーやマジックテープなどをきちんと閉じ、畳んだ状態でネットに入れる。
(2)液体の中性洗剤を使い、洗濯機の優しく洗えるモードで洗い、2回すすぐ。
(3)脱水は洗濯機の故障につながるのでなるべく避け、ぬれたままハンガーにかけ自然乾燥する。
(4)表面に撥水スプレーをした上で乾燥機などで熱を加えると、撥水性がよみがえる。
★雨具以外の使い道
カヤックや川遊びなどの水遊び時に、水着の上から羽織る日よけ・風よけとして活用できます。また、防災用としても重宝します。大雨の中を避難するときに両手が空く、体が冷えない、汚れが落ちやすい…メリットはたくさんあります。