冬の安曇野ちひろ公園「さんぽで五・七・五」

冬の安曇野ちひろ公園(松川村)を歩いて俳句を作る「さんぽで五・七・五」が1月27日、子どもから大人まで14人が参加して行われました。晴天の下、参加者はじっくりと景色や自然を見つめ、みずみずしい感性で作品を創作していました。

俳人小熊里利さん講師 思いを言葉にのせて

講師はNHK文化センター松本教室などで教える俳人小熊(おぐま)里利(りり)さん(大町市)。企画したのは松川村の地域おこし協力隊として同公園に勤める岩崎泰子さん(35)で、黒柳徹子さんの著書「窓ぎわのトットちゃん」に登場するトモエ学園で、小林校長先生と子どもたちが俳句に親しむシーンにヒントを得たといいます。
小熊さんは最初に「俳句は難しいと構えがちですが、今日は高い敷居を平らにします!」とにっこり。参加者は筆記用具を手に公園へ繰り出します。
「遠くの真っ白な雪山は、『雪嶺(せつれい)』と読むと雰囲気が出ます」「枝にかかってるのはサンキャッチャー(光が当たると輝く飾り)?」。小熊さんは、気になる言葉があったらメモを取るようにと声をかけます。参加者は、近くを見たり遠くを見たり。モノトーンの景色の中に、たくさんの驚きと美しさがあることに気付きます。
「これはローズマリー。葉をもんでにおいをかいでみて。冬でもこんなにいい香り。詠む時に『折り取りて』など、具体的な動きの描写を入れると、ぐっと良くなりますよ」。小熊さんの助言を受けて、子どもたちは目を輝かせながら植物の名前や浮かんできた言葉を紙に書き込みます。
「机で考えるんじゃなくて、体を動かしながらがいいんだよね。大人はどうしても格好つけちゃうから、子どもにはかなわないなあ」と笑う年配者も。キリの実をゆすったり松ぼっくりを拾ったり、うろこのような柿の樹皮をみんなでなでたり…。枝を渡るコゲラの鳴き声も聞きました。

温かいアドバイス参考に オーナメントに書き込み飾る

体験交流館に戻ると、書き留めた言葉を組み合わせて句を作り、小熊さんに添削してもらいました。「季語がいくつも重なり過ぎるかな」「前後を入れ替えて、漢字に変えると俳句らしくなるよ」「きっちり五七五じゃなくてもいいのよ」。温かいアドバイスを参考にもうひとひねりします。
小池ひかりさん(8、松川村)の句は「木の幹でギーとコゲラの鳴いている」、弟の陽太郎ちゃん(6)は「のざわ菜はのんきに歩くのざわ菜だ」。二宮優人君(8、松本市)は「ドイツトウヒのまつぼっくりは大きいよ」。各自が詠んだ作品は「にじみのオーナメント」に書き込み、公園にある「電車の教室」に飾ります。

同公園トットちゃん広場の2月の開館は、金・土・日曜・祝日の午前10時~午後3時。「食」「農」「いのち」をテーマにさまざまなイベントを用意しているので、出かけてみてはいかがでしょうか。催しは=ウェブサイト。安曇野ちひろ公園TEL0261・85・8822