「地域クラブ」活動 実際は?

中学初級者向け新設したクラブ

学校部活動から地域クラブ活動への移行における松本市のモデルケースとして活動する「まつもと城東バドミントンクラブ(B.C)」(里山辺)。代表の須藤憲一さん(49、一般社団法人信州Sports(スポーツ).College(カレッジ)代表理事)に、活動の様子を聞きました。
─城東B.Cとは
2007年から競技志向のバドミントンクラブ「すどう塾」を運営してきました。城東B.Cは、地域移行の受け皿として、初級者の中学生向けに新設したクラブです。
─活動スケジュールや参加者は
練習は毎週火・水曜午後5~7時と、土曜日の午前8時半~11時半(月4回程度)または午後1~4時に行っています。参加費は1回につき平日500円、土曜日530円(参加回数が多い場合は月会費)、会場は市内の体育館。他市町村、他クラブからも参加できます。
9月現在、市内の中学校(公立3、私立1校)に通う男女9人がメンバーとして定着し、平日と週末の練習に参加しています。加えて週末のみの参加者が各回1~10人ほど。彼らは、平日は部活動で剣道や吹奏楽をやっているそうです。
固定メンバー9人のうち、3人は女鳥羽中バドミントン部所属で、来年度から休日の部活動が地域のクラブチームに完全移行することを見据え、今年4月から合同練習をスタートしました。火曜日は学校の許可を得て、部活動を休んで城東B.Cの練習に参加しています。
9月からは小学6年生も受け入れています。
─指導体制は
すどう塾は指導者が6人でしたが、城東B.C新設に伴い、19人に増やしました。現在、日本スポーツ協会公認資格所有者が5人おり、指導方針などを全員で共有し、教え方にギャップが生じないようにしています。
指導者の多くは他に本職がありますが、各自の都合に合わせ、指導時間をうまく分担できています。謝金については有償または無償ボランティアの形があり、指導者本人の意向や実働時間に応じて支払います。城東B.Cの指導に対する謝金は、市からの補助金も活用しています。

レベルに合わせ「塾」への移籍も

─城東B.Cからの大会出場は
今年、大半のメンバーが中体連主催の中信大会、ジュニア選手権を含む各種大会に個人で出場しました。女鳥羽中バドミントン部は、来年度も平日の部活動は形式上存続しますが、大会には城東B.Cとして出場します。メンバーが増えれば団体戦にも参加できるので楽しみです。
また、さらに技術を磨き大会での勝利を目指す人は、すどう塾への移籍も可能です。
─指導において大切にしていることは
まずは「楽しむこと」です。その上で、礼儀や練習態度などの基本的マナー、仲間との関わり方、さらに栄養学や競技の歴史まで教えます。保護者を交えて話すこともあります。バドミントンを通して、人間性や社会性も育てたいと考えています。
子どもたちが、自分の興味の湧くクラブを自らSNSで探し出す時代です。固定の地域や団体にとらわれず、自分がやりたい場所でプレーできる環境を整えていきたいですね。地域移行は時代にマッチしていると思います。

参加者の声

◆女鳥羽中2年(バドミントン部所属)の上條優風(ゆうか)さん・五味杏(あ)澄(ずみ)さん
「部活動での練習は主に試合形式で、友達同士で教え合えるのが楽しいです。城東B.Cは体力づくりや基礎からしっかりと指導してもらえます。それぞれいいところがあるなと思います」
◆体験に参加した小学6年生の保護者
「息子はレク志向のバドミントンクラブで活動経験があり、中学でも競技を続けたいと考えていました。しかし、進学予定の学校にバドミントン部がないため今回参加しました。城東B.Cに入会するつもりなので、中学の部活は入らないと思います。本人次第ですが、いずれすどう塾に移ってレベルアップできれば。謝金や送迎については、子どものやりたいことなので抵抗ないです」