絵馬奉納の遺志継ぐ

松本市岡田下岡田の岡田神社に絵馬奉納を15年続け、昨年他界した地元の村山忠勇さん(享年82)。その遺志を継ぎ、村山さんと同じく女鳥羽中学を卒業した、教師仲間の画家中村石浄(次郎)さん(86、岡田下岡田)と書家大澤逸山さん(65、岡田松岡)が辰年の絵馬を制作、12月24日に奉納した。
村山さんは晩年、がんと闘いながら「気力が大事、まだまだ(絵馬を)描き続ける」と言っていたというが、7月に逝去。交流のあった中村さんと大澤さんが12月上旬、中村さんのアトリエで絵馬制作に取り組んだ。
願いをかなえる神聖な力が込められているとされる玉を手に、金色の目を輝かせる竜の絵が描かれ、「奉納」「開運招福」の赤と黒の力強い字が添えられた。両氏は「地元の氏神様に、幸せな一年になるよう祈りを込めた作品になった」と完成度に満足そう。
中村さんは村山さんの努力に敬意を込めて「村杜ヲ敬イ山ヲ愛シ忠孝ニ励ミ勇デ献身ニ尽クスその功を讃え謹んで奉納する」と、村山さんの名前を入れた書に、シャクナゲとボタンの花を描いた。氏子総代会長の赤羽篤さん(71、岡田松岡)も女鳥羽中卒業生で「正月に、門松と飾り地域の発展と母校の繁栄を祈りたい」と話した。