私設「松本 丸の内美術館」現代アートの魅力を

徳田医院院長収集絵画など約100点

私設美術館の「松本丸の内美術館」が松本市大手3にオープンし、今日で1カ月。オーナーで徳田医院の院長・徳田安孝さんが収集した絵画など約100点を展示している。戦後から現在までの日本現代美術史をたどり、その魅力を伝える内容になっている。
美術館は松本城の南側にある2階建て。1階は、女性像で知られる洋画家・東郷青児(1897~1978年)や前衛女性画家の先駆者・桂ゆき(1913~91年)、長野市育ちの池田満寿夫(1934~97年)らの作品を、入り口から年代別に展示した。
2階は英国の作家オーブリー・ビアズリー(1872~98年)ら海外作家の作品や展覧会図録を並べた。窓から見える松本城天守。コーヒーを飲みながら音楽も聴ける。
「現代美術は、さまざまな手法や表現で人がやっていないことに挑戦しているのが魅力」と徳田さん。高校時代は美術部で、1986年に杏林大医学部を卒業後も美術を愛好、20代から収集を始めた。松本市出身の前衛芸術家・草間彌生さんの影響を受けたのがきっかけという。
コレクター歴は約30年。各地の展覧会やギャラリーに足を運び造(ぞう)詣(けい)を深めた。作品を大勢の人に見てほしい|と開館。来館者には徳田さんが現代アートを説明した冊子を渡す。
建物は、医院、自宅、中庭を一体的に整備して「松本三の丸スクエア」とし、本年度の市景観賞の最優秀景観賞に。今後は中庭でのイベント開催などで、現代アートと街や人をつなぎたいという。
妻の優雅さんはアートマネジャーとして同館運営に携わる。館内では作品の模写もでき「それぞれの心象で何かを感じてもらえれば」と話す。
入館料大人千円、中高校生500円、小学生以下無料。平日午前11時~午後3時、土、日曜と祝日は午前10時~午後4時。水、金曜休館。TEL0263・33・8168