良質な音楽届け続け サウンドファンタジー30年の活動に幕

山形村で「ミラ・フード館を活用し、質のいい音楽を村民に提供しよう」と活動してきた「サウンドファンタジー」(百瀬泰久会長、11人)が、30年の活動に幕を下ろした。これまでに数々のコンサート開催や合唱祭を主催。会員の高齢化などから区切りを付けようと1月27日、村内で解散式を開いた。
1993年、「山形村音楽クラブ」のメンバーを中心に22人で発足した。当時は近隣に音楽ホールも少なく、同館で音楽を楽しむ機会をつくりたいと、クラシックやタンゴなどさまざまなコンサートを年に数回開催。初代会長の上條光男さん(85、中大池)と、初期メンバーで長く会長を務めた児玉功臣さん(82、下竹田)は「みんな夢中だった。出演者との交渉からプログラム作りまで、全部自分たちでやってきたのが誇り」「だからこそ、良質な音楽を安く提供してこられた」と振り返る。
また、塩尻市から安曇野市を結ぶ「日本アルプスサラダ街道」沿いには多くのコーラスグループが活動していることから、一堂に会する機会をと呼びかけ「サラダ街道合唱祭」を主催。99年から毎年開いてきた。
しかし、合唱祭は2019年を最後にコロナ禍で中止を余儀なくされた。近隣にはさまざまなホールができ、音楽を気軽に楽しめる機会も増えた。会員は60~80代になり「自分たちでの企画運営は難しい。一定の使命は終えた」と解散を決めた。
百瀬会長(67、下竹田)は「会としては解散だが、合唱祭や自分たちの思いを次世代につないでいけるよう、これからは個々に努力していきたい」と前を向いた。