生活の文化知る作品展 開田高原麻織物研究会

上松町小川の関西電力木曽水力センター内「かんでんギャラリー」で、開田高原麻織物研究会(木曽町、33人)の作品展が開かれている。会員が制作したバッグやテーブルセンター、衣類など約50点を展示した。28日まで。
11の工程を経て完成する麻布は、素朴な色合いや丈夫さが特長。会員が作る材料の麻糸や、糸車などの道具も並べた。
会員は毎週水曜、家庭で使われなくなった手織り機などを置く「麻布(のの)織りの家」(同町開田高原西野)に10人ほどが集まり、裂いた麻の繊維を1本の糸にする「績(う)み」や、績んだ糸を糸車にかけ、ねじってより合わせる「撚(よ)り」などの作業をし、布を織るなどをしている。
開田高原の麻織物は、農閑期の仕事として明治から昭和の中頃まで盛んに行われ、1972(昭和47)年に県の無形民俗文化財に指定された。同会は、その後に途絶えた技法を復活させようと、2008(平成20)年に発足した。
代表の加村金正さん(84、同)は「開田高原に麻織りの文化があり、人々の生活を支えてきたことを、知ってもらえたら」と話す。
午前9時~午後5時。土日曜・祝日は休館だが、17、23日は開館(午後3時半まで)する。同センターTEL0264・52・4681