SK松本ジュニア合唱団 創設30周年記念コンサート

創設30周年を迎えた「SK松本ジュニア合唱団」が23日、松本市のキッセイ文化ホールで記念コンサートを開く。30年間歌い継いだ数々の歌と、初めてOBと団員が一緒に挑むミュージカル風の合唱「ぞうれっしゃがやってきた」の2部構成。大ホールでの単独コンサートは5年ぶりで、団員らは歌える喜びをかみしめながら練習に励んでいる。
「ぞうれっしゃ─」は戦時中、動物園の動物たちが殺された実話を基に、飼育員らの葛藤や戦争への怒りも描く、約40分の作品。30年間で2度上演した、縁の深い大作だ。
昨年夏ごろから週1回練習を重ねた。今月上旬の通し練習には、幼児から40代のOBまで約40人が参加。指導者の白澤知代さん(松本市)が、発声や音量のバランス、子どもたちの動きなど細かい部分を指導し、メンバーもそれに応えた。
同団は1993年、サイトウ・キネン・フェスティバル松本(現セイジ・オザワ松本フェスティバル)のオペラに出演した児童合唱団を母体に発足。最盛期には70人近い団員を誇ったが、新型コロナで合唱を敬遠する風潮にも翻弄(ほんろう)され、現在は41人に。
先月亡くなった小澤征爾さんと親交があり、設立時から指導に携わる佐原玲子さん(岡谷市)は「よく続いたなあという思い。松本で合唱の文化をつないでいくことができつつある」と語る。
12期生の大畠幸さん(安曇野市)は今回、東京在住の姉と姉妹で参加する。「ぞうれっしゃ」を歌うのは2回目で「歌を通して歴史も伝えたい」。コロナ禍で歌えないつらさも経験しただけに「幅広い世代が共に楽しく歌えたら」とする。
団長の横山木乃香さん(18、同)も「先輩との共演は、練習への姿勢など勉強になることも多く、歌声にも深みが出る。普段合唱になじみがない人も、歌う楽しさや面白さを感じてもらえたら」と意気込む。
午後2時開演、入場料500円(小学生以上)。問い合わせは同ホールTEL0263・34・7100