「若者よ、美術館へ行こう!」松本県ケ丘高の4人がリポート

松本市の松本県ケ丘高校1年C組の飯島澪さん、大工原和奏(わかな)さん、末次葵さん、瀧田花さん(いずれも16歳)が探究学習で、「美術館の若者離れを食い止めるためには」というリポートを作成し、学年内で発表した。美術館や展示の魅力を伝えるために、今後は各人がSNS(交流サイト)で発信することも考えている。「若者よ、美術館へ行こう!」
4人は松本市美術館で昨年7~10月に開いた、「映画監督山崎貴の世界」展を、学校で配られたチケットで見に行き、映画の製作過程がよく分かったり、映画で使われた物を見ることができたりなど展示の工夫に感心。一方で、若者の姿があまりないことに着目した。
「美術館は大人が行く場所」「敷居が高い」と感じていたが、実際に訪れてイメージが変わった4人。「美術館の良さを若者にも知ってほしい」という思いで活動を始めた。
まずは実情を知ろうと同10月、同館で来館者に聞き取り調査を行い、目的などを尋ねた。加えて同館と美ケ原高原美術館(上田市)、安曇野ちひろ美術館(松川村)の3館に、来館者に年代や若者を呼び込む展示の工夫などを聞いた。
結果は、3館とも大学生・高校生以下の来場者は2割以下だった。「予想以上に若者の来場が少なくて驚いた」と飯島さん。
どうすれば若者の興味を美術館に向けられるかを考え、館や展示の魅力を各人のインスタグラムで発信するのが「友人や知人の反応も分かり、面白いのでは」。そこから、課題を解決する糸口が見つかるかもしれないと考えた。

美術館の魅力は?という記者の質問に、飯島さんは「静かな空間で、興味あるものを集中して見られる」。どんな展示を見たい?という問いには、4人とも「松本や長野県にゆかりのある有名人の展示があればぜひ行きたい」「まだ草間彌生さんの展示を見ていないので、見てみたい」と口をそろえる。
さまざまな作品に触れることで、自分の世界が広がることを知った4人。新しい出合いはスマートフォンを通じてだけではないことを、同世代に伝えてくれそうだ。