高校生 信金で支店長役に挑戦

松本信用金庫(松本市)の地域経済活性化グループの職員が8日、東京都市大塩尻高校(塩尻市)を訪れ、探究コース1、2年生の授業を受け持った。職員は、生徒の主体的な学びを促す内容にしようと事前研修を重ねて臨み、ユニークな出張授業になった。
2年生20人は、同金庫の支店長になりきって、ビジネスに悩む年配のアパレル店店長に課題解決策を提案する寸劇に挑戦。店長役の職員に「ネット広告を見たお客に割引特典を与え、SNSで店の情報を拡散してもらいましょう」「ターゲット層を若者に絞り、従業員も若くしましょう」「思い切って移転しましょう」など、生き生きと提案していった。
一方、1年生23人は、同金庫がマッチデースポンサーになっている松本山雅FCの試合(6月16日、サンプロアルウィン)での販売を目指し、塩尻らしい「食」を考えてプレゼンした。
出張授業を企画したのは、高校生の探究学習支援などをする一般社団法人「KOKO」(松本市)。探究学習に取り組む高校生と地域課題に向き合う地元企業をマッチングさせ、双方が学び合うプログラム「uulu(ううる)」として初開催した。
同グループ(13人)は、事前にKOKOの研修を4回受け、授業内容を決めた。同金庫業務推進課の山田智之課長代理は「研修で、仕事における自分たちの使命を再確認できた。今回の授業が、若者と一緒に街づくりを進めていく“はじめの一歩”になれば」と期待。
都市大塩尻高の天井澤暁裕教諭は「会社員の“リアル”を体験する授業は初めて。生徒にとってすごく刺激的で、意義深い時間になった」と話した。