橋を生かした先人の知恵
筑北村坂北の国道403号六工(ろっく)交差点から向原団地方面へ向かい、新六工橋にさしかかると、不思議な光景が現れる。「ん?橋の中央にガードレール!?」
謎の答えは、橋の先に見える長野道にある。北側(写真右側)の橋は長野道ができる前からあり、南側は長野道建設時に架けた橋だ。
敷設のため土を積んだ大型ダンプカーが頻繁に走ることになるが、調査の結果、従来の橋はその通行に耐えられないと判明。日本道路公団は仮橋を架けようとした。
ところが以前から橋や道の拡幅改良の要望があったため、当時の坂北村が公団と交渉。新しい橋を南側に架けて土を積んだダンプカーはそちらを、土を降ろした車は従来の橋を通る形にした。
「面白いでしょ。小さな自慢せえ」と地元の柳沢忠さん(81)。何げない景色の中に、先人の知恵と歴史がある。
<おわり>