5月16~19日 まつもと市民芸術館で舞台「女40歳 肉屋のムスメ」対象的な母娘の関係

まつもと市民芸術館(松本市深志3)で5月16~19日、舞台「女40歳 肉屋のムスメ」が上演される。郊外の小さな精肉店で働き平凡な日々を送るひなのと、わが道を行く母、その2人を取り巻く人々を描いた群像劇だ。
時々、店に訪れる若い浪人生との会話がささやかな幸せだったひなの。ある日、音信不通だった母・清子が突然家に戻ってくる。いろいろなことを少しずつ我慢して大人になったひなのと、自分のことを盲目的に信じ行動する清子という対象的な2人のちぐはぐな親子関係はどうなるのか-。登場人物たちの深層心理が散りばめられた会話劇も見どころだ。
同作品は「劇団ONEOR8」(東京)の演出家・田村孝裕さんによる脚本を、俳優としても活動する福士誠治さんが演出。ひなの役の小林きなこさん、清子役の長野里美さんなど東京の俳優と、松本を拠点に活動する下地尚子さんら計6人が出演する。
4月12日から稽古を開始。福士さんは個人の演出8作目で初めてワークショップを取り入れるなど、演出家と役者の風通しの良い雰囲気を大切にしているという。
小林さんは「『私の家族や自分に似ているな』という部分がたくさんある作品。見終わった時に、一歩進んで頑張ろうと思ってもらえればうれしい」、長野さんは「人の心を巧みに操る清子は、自分の人生ではできない生き方。人間の機微を微妙なところで表現できたらうれしい」。
福士さんは「人が人を思う心や、知らず知らず傷つけてしまう-というような、一人一人の正義の価値観の違いがあふれた作品。6人の肉厚な人間関係を楽しんでもらえたら」と話す。
16日午後7時、17日午後2時、18日午後1時、6時、19日午後1時。全席指定、一般4千円、25歳以下2千円。同館チケットセンターTEL0263・33・2200(午前10時~午後6時)