小学生女子サッカーMGプレス杯 松本ウィング圧勝 3年連続県女王に

小学生女子サッカーのMGプレス杯第22回ガールズエイト(U-12)県大会(県サッカー協会主催、MGプレス共催)は5月5、6日、松本市あがた運動公園多目的広場で開いた。決勝で松本ウィングが長野ガーフとフェローズ(ともに長野市)の合同チームを3-1で破り、3年連続9度目の優勝を果たした。
中信3を含む9チームが出場。松本ウィングは初日の予選リーグと2日目の決勝トーナメント計4試合で25得点・1失点と、他を圧倒する強さを見せた。
初日は気温30度を超す真夏日、2日目は一転して強風が吹く中、選手たちは懸命にボールを追った。初日に松本山雅FCなどで活躍した松本市出身の元プロ選手・田中隼磨さん(41)が来場し、ミニ試合などで交流した。

少子化の波やコロナ禍の影響は女子サッカーにも及び、松本平タウン杯からMGプレス杯に冠名が変わった2018年以降、初めて出場チーム数が一桁になったガールズエイト(U-12)県大会。春の県女王を決める場としては寂しかったが、3連覇した松本ウィングは、全国に通用する個の育成とチームづくりの成果を見せた。
松本の小林雅範監督(53)が強調するのが「インテンシティー(強度)の高さ」。男子リーグに参戦している松本の選手は、相手との接触を怖がらずにボールを奪いにいける。加えてボールを止める・蹴る基本技術の高さ、相手より先にボールに触る意思、空いたスペースにいる味方を使う意識などが、他チームより格段に高かった。
今大会に出場した小学5、6年生は、28年の信州やまなみ国民スポーツ大会(国スポ)の少年女子(16歳以下)県代表を担う世代。今回は松本の強さが際立ったが、他チームにも有力な選手はいる。中高生になっても身近で競技が続けられ、適した指導が受けられる環境が整うかが、県勢躍進の鍵を握る。

決勝トーナメント(6日)結果
▽準決勝 松本ウィング5-0トップストーン・ロゼッタ(上伊那)、長野ガーフ&フェローズ1-1(PK3-2)佐久インテンザ▽3位決定戦 佐久5-0トップストーン▽決勝 松本3-1長野 

田中隼磨さんメッセージ 目的を持って練習を

大会初日(5日)に来場した田中隼磨さんは「スペシャルクリニック」と題し、出場選手とパス回しをしたり、5分間のミニ試合をしたりしてサッカーの楽しさを伝えた。田中さんに、小学生がやるべきことを聞いた。
「技術は未熟でも、練習をひたむきに積み重ね、小さなことをおろそかにせず、試合で100%の力を出し切ることは、男女を問わずできる。
練習は目的を持ち、意図をはっきりさせてやることが大事。例えばリフティングは回数を競うのでなく、試合でボールをコントロールするための練習。パスも試合中のいろんな状況を想定して練習してほしい」