農家として独立 松本の横内龍之介さん「体動かす仕事楽しい」

松本市征矢野2の横内龍之介さん(27)は「体を動かす仕事がしたい」「経営者になりたい」という二つの念願をかなえようと今年3月、農業に本格的に取り組み始めた。同市和田と波田に借りた計80アールほどの畑で、今はネギの定植に汗を流す。

「経営者に」思い実現

屋号の「Ryu-Farm(りゅうファーム)」は自身の名前と、農家として独立した今年のえとの辰から名付けた。まず作業が少ないネギを一人で作り、空いた時間に長芋農家を手伝いながら栽培の仕方を学んでいる。

地元出身。幼い頃に始めた野球を松商学園高(同市)、東海学園大(愛知県)で続けた。卒業後、自動車関連の企業に就職して営業職になったが、「事務や営業は苦手」「体を動かす仕事の方が良いんじゃないか」と感じていた。
コロナ下で自分を見つめ直し、「思いを実現できる職業は何か?」と考え、農業に行き着いた。25歳で松本にUターンし、市内の農業法人で2年間、ネギ栽培をはじめ農業の基礎を学んだ。土地が借りられることになり、今年2月に退職した。
独立に向けて最も苦労したのが土地探しだった。友人が声をかけてくれたり、多くの人が協力してくれたりし、経営が見込めるだけの土地が借りられた。高齢の農家が多く、廃業して荒れた農地が多いのも目の当たりにし、「農業を始めたい若者は多い。農地を橋渡ししたり支援したりする仕組みがあると、農業がもっと盛り上がる」と感じたという。
一人で黙々とネギを植えながら「楽しい」と笑顔を見せる横内さん。「これからは農業。若者の時代が絶対に来る」「(自分は)規模を大きくしたい」と力を込める。情報発信にも取り組み、畑の様子などをインスタグラムで紹介している。