「灰焼きおやき」味継承 生坂の協力隊若者3人が製造

生坂村地域おこし協力隊の若者3人が、郷土食「灰焼きおやき」の製造に取り組み、4月から村入浴宿泊施設やまなみ荘で週に3日ほど販売を始めた。
販売するのは、甘辛いみそと組み合わせる「なす」(300円)とキャベツやタマネギ、シメジなどが入った「野菜ミックス」(同)の2種類。地元の野菜を中心に使い、カリッとした生地の中に具がたっぷり入っている。一つ約240グラムとボリューム満点だ。今後は「おから」や「野沢菜」なども予定している。
製造するのは、夫婦で協力隊3年目の杉浦苑生(そのみ)さん(27)と陸斗さん(28)、2年目の星満さん(28)。同施設で販売していた灰焼きおやきの製造前任者が昨秋退任し、郷土食の継承を村から依頼された。
昨年10月から、住民有志の「生坂こなもん倶楽部」メンバーの平林敏生さん(80)や丸山政徳さん(72)らから、生地の作り方や包み方、焼き方などの指導を受け、村内のおやき製造施設「おやき体験館」で灰焼きおやき作りに精を出してきた。野菜の水分が沸騰しおやきに穴が開いてしまうなど、まだ改良点はあるというが、試行錯誤しながら味と技を受け継ぎつつある。
星さんは「一から学ぶことは難しいが、腕を上げ、伝統を継承していきたい」、苑生さんは「村に来て初めて知った味。村内外の人に受け入れてもらいたい」と意気込んでいる。
約60個を製造し、その日焼き上げたものを販売。月、木、土曜のみ。やまなみ荘TEL0263・69・2032