地域活性化起業人望月さん 木曽の魅力を発信

安曇野市堀金烏川出身の会社員・望月憲さん(31、東京都)が、木曽の魅力発信に取り組んでいる。木曽おんたけ観光局(木曽町福島)が、国の「地域活性化起業人」制度を活用。三大都市圏の企業社員の知見を生かし、地方自治体が地域独自の価値向上などを図る。望月さんは「東京で働きながら出身県の活性化に一役買えれば」と意欲的に活動している。
望月さんの本業は、各種メディア企画運営などのQeti(ケティック)c(東京都中央区)ディレクター。木曽町では、木曽産の特産品販売をはじめ地域の文化、目的別お薦め宿などを紹介する電子商取引(EC)サイト「KISOORIGINAL」の企画、取材や地元の会員向けネット講習会などを行っている。
同観光局は、魅力発掘とインターネットによる情報発信力などを強化しようと、起業人制度を導入。ケティックとの契約期間は24年度末までの3年間だ。望月さんは東京と木曽を行き来した2年間で、課題と可能性が見えてきたという。
ECサイトの商品は10種類ほど提案したが、知名度が上がらず販売は伸びなかった。一方、昨年は王滝村でモニターツアーの企画に参加。御嶽山に登って記事を書くなど、観光資源の発掘に努めた。観光局の鎌田和紀さん(45)は「地域をまめに回ってくれて頼りになる」と評価する。
松本蟻ケ崎高校から明治大を経て広告会社に就職。さまざまな商品の販売戦略に携わったが「地域を元気にする仕事をしたい」と、地域活性化にも取り組むケティックに2020年、転職した。
同社では主にアウトドアメーカーのホームページ制作を担当する。「最先端の情報に日々、触れている強みがある」と望月さん。東京の人脈を生かし販路拡大も構想中だ。
全国展開する地域活性化起業人制度で、偶然にも出身県の担当になり、任期最終年度を前に「地域の人と人間関係を築くことが大切だし、楽しみでもある。若い世代にも木曽を発信したい」としている。