ラジオパーソナリティー塚原正子さん スナック開いて心の交流大切に

SBCラジオの番組でパーソナリティーを務める塚原正子さん(59)が3月、「コミュニティースナックまさこ」(松本市大手4)をオープンした。
取材をしてもう少し話したい、別の日に登場したゲストを結びつけたい。勉強して取得した、心理カウンセリングの「交流分析士インストラクター」の資格を生かし、悩みや心の不調に対応できる場をつくりたい―。これらの思いを具現化した店になった。
洋楽のCDやレコードなど音楽、デビッド・ボウイが好きだったというジンなどのアルコール、そして人とのおしゃべり―。塚原さんの「好き」をぎゅっと詰め込んだ。キャッチコピーは「こころのいきつけ」。パーソナリティーとの二刀流で頑張る。

東町通り沿いに開店して約1カ月の「コミュニティースナックまさこ」。メニューを見ると、ウイスキー、焼酎、日本酒などの飲み物(1ショット550円から、ボトルは2200円から)、おつまみに1ドリンクが付いたセット(2200円)、飲み放題セット(3850円)などがある。女性も気軽にと、ソフトドリンクの飲み放題、ケーキもある。隣の多国籍料理店「Thumbs Up(サムズアップ)」から出前も取れる。
変わったメニューがもう1枚。恋愛・結婚、家族関係、仕事・職場といった悩みを聞く「心の悩み無料相談」、ドラえもん診断&四次元ポケット、心の栄養チェック…といった「気軽にできる心理チェック」(1100円)などが載る。「コミュニティースナック」ならではのお品書きだ。
ママの塚原正子さんは2013年から、SBCラジオでパーソナリティーを務め、「もっとまつもと!」(平日午後4時20~43分)を担当する。楽しい仕事ではあるが、楽ではない。
毎日変わるゲストに、コミュニケーションの難しさを感じたこともある。一方でゲストには心地よくても、リスナーからクレームが来ることも。何が正解か、考え出すと悩みは尽きない。
自分も相手も肯定でき、心の不調を修正できるようにしたい。そこで、コミュニケーションに特化した心理療法「交流分析士」の勉強をスタート。インストラクターの資格を取得した。
取材中に「もう少し話したい」と思っても、その場限りになってしまう。ゲスト同士がコラボレーションできたら、面白い化学反応が起きるのでは―。そんな場所をつくれないかと考え続けた。
友人に、パーソナルブランディング(個人のブランド化)を依頼。「塚原正子の棚卸し」と振り返るほど、いろいろなことを聞かれ、AIまで活用して出た答えは―。「スナックをやればいいんじゃない」
店舗物件探し、事業計画書の作成、内装の見積もりなど、昨夏から準備を始めた。「いろいろな人のお世話になった。店は初めてだが、みんなが見守ってくれる」と笑う。
壁のレコードジャケットがおしゃれだ。アルコール類も、米国のロックシンガー、ジャニス・ジョプリンが愛したフルーツリキュール「サザン・カンフォート」、英国のロックミュージシャン、デビッド・ボウイが好きなジン「ボンベイ・サファイア」など、音楽と縁のある銘柄をそろえた。
店内では、音楽談義に花が咲いたり、異業種の人が仲良くなったり。外国人も多く、英語や日本語が飛び交う。来店者の笑顔を見、幸せを感じる毎日だ。
「英語だけで話す」「プロジェクターを使ったゴルフレッスンプロのワンポイントアドバイス」といった企画も考え中。年齢、性別、国籍に関係なく、「全てをウエルカムに」と塚原さん。還暦を前に大きな挑戦だが、「乾杯を通して人と人とが心でつながる場に」と力を込める。
午後7時~11時半。日・月曜定休。