古道具で広げる輪 今月で10周年の「まつもと古市」4月13、14日100回目の節目ピンクに彩る

使うことで古道具の良さを知ってほしい。新しさや安さではなく、質の良さで物を選ぶ価値観を広めたい―。そんな思いから、松本市で「古道具燕(つばくろ)」を営む北谷(きたや)英章さん(52)は、古道具を販売するイベント「まつもと古市(ふるいち)」を松本城大手門枡形跡広場(大手3)で始めた。コロナ禍や悪天候での中止もあったが毎月開催し、今月で10周年。4月13、14日で100回目を迎える。

「だいたい50年以上前に作られた古道具は、質が良く一生使える造りになっている」と北谷さん。2015年に古市を始める前は、県内に古道具屋は北谷さんを含めて数軒のみ。第1回は知人の紹介などで8組の出店者を集めた。
毎月第2か第3の週末に開催。今では出店を憧れる人がいるほどで、出店者は公募ですぐにいっぱいになる。プロアマ問わず約20店が、独自の視点で集めた小物から家具などの古道具を並べ、それを求めて若い人も多く訪れる。今や松本を代表するイベントの一つとなった。古市をきっかけに人気が出たり、県内に店舗を構えたり。県内の古道具屋巡りをしたくて、県外から旅する人もいるという。「それに少しでも貢献できたかな」
古市の雰囲気がいいとよく言われるという。「全てが好循環で来られた。古道具が本当に好きな出店者とお客さんに一緒に盛り上げてもらっている」。何でも楽しくやりたいという北谷さんの姿勢が伝染しているかのようだ。
100回目の会場はいつもの同広場と、南へ200メートルほど離れた信毎メディアガーデン(中央2)の屋外広場スクエアも加わり、2日間で約40店が並ぶ。今回特別にテーマカラー「ピンク」を基調に会場を装飾し、出店者のドレスコードもピンクにする。「ワンポイントだけでもお客さんも、ピンクを身に着けてもらえたら楽しいですね」。会場は華やかな雰囲気に包まれそうだ。開催時間は午前10時~午後4時。詳細はまつもと古市のインスタグラムで。