
上松町地域おこし協力隊員の尾上一生さん(46、同町小川)のベンガラ染め作品展が、関西電力木曽水力センター(同)1階の「かんでんギャラリー」で28日まで開催中だ。ベンガラは土由来の顔料で、水やぬるま湯に溶いて布にもみ込む。独特の温かみを感じさせる布製品など、約30点を展示している。
会場でひときわ目を引くのが高さ約2㍍、幅約1・2㍍の大日如来像を染めたタペストリー。型染めや、図柄を描くように染めた「防染筒描染め」といった技法を組み合わせ、緻密なモチーフを描いている。
尾上さんは神戸市出身。前職は同市の障がい者就労支援施設の職員だった。施設利用者が作業中に暗くなりがちだったので、「楽しんでできることはないか」と常々感じていたという。ある時、施設を訪れた人がベンガラ染めの風呂敷を持っていた。そういう染め方を初めて知り、教室に通って技術を習得した。
火を使わずに作業でき、完成までの時間が比較的短い。施設利用者にベンガラ染めを教えると、表情が明るくなり、通所日数が増えた人が何人もいた。障がい者や一般向けのワークショップを開いたほか、作品を販売し、利益を利用者の賃金に還元した。教える中で自身の技術も向上した。
2024年、「木工を学びたい」と仕事を辞め、上松町の県上松技術専門校に入学。卒業し25年度から同町の地域おこし協力隊員となり、木工部の仕事をしている。併せて生涯教育としてベンガラ染めの指導も始めた。
毎月2回、公民館などで教室を開いている。PRも兼ね、移住後初の作品展を開くことになった。「土特有の淡く優しい色合いが魅力。技法も面白いので興味を持ってもらえれば」
午前9時~午後5時。土・日曜と祝日は休館だが12、18日は開館する(午後3時半まで)。木曽水力センターTEL0264・52・4681