【像えとせとら】道の駅 寄って停まつかわ「りん太」 (松川村細野)

村のシンボル スズムシがモチーフ

台座からの高さは約145センチ。子どもの目線に近く、丸いフォルムに親近感が湧く。「かわいいね」。隣に立ち止まった、4歳だという女の子と一緒に石像を眺める。「何に見える?」と尋ねると「バッタ!」。「タヌキ」と答える人もいるという。
像は村のマスコットキャラクター。村の特別シンボル、スズムシの雄がモチーフだ。正面から見ると分かりにくいが、背後に回ると一目瞭然。美しい音色を奏でる羽の模様が思いのほかリアルで、目を奪われる。
施設がオープンした翌1998年、スズムシが生息する豊かな自然環境と田園景観が広がる「すずむしの里」をPRしようと村が設置した。2010年には「すずむし保護条例」も制定された。
村のマスコットキャラクターには、雌の「リンリン」もいる。りん太は93年、リンリンは94年の生まれ。像を作った時にリンリンもいたはずだが、なぜ、りん太だけ?。「リンリンと出会う前だったのでは」「リンリンは産卵で忙しかったのでは」。村職員や施設の指定管理者も想像を巡らせるが、理由は分からなかった。
気になる“二人”は恋人から夫婦になり、子だくさんらしい。安曇野ちひろ公園の近くで、幸せに暮らしているそうだ。でも、像は1体だけで、ちょっぴりさみしそう。ここに二人がそろう日をひそかに願うのは、記者だけではないはず?