【野遊びのススメ】#4 大人や子どもの憩いの場ハイジの森「森カフェ」

たき火で焙煎コーヒー

のどかな里山風景が広がる塩尻市洗馬上小曽部にある通称「ハイジの森」で週末を中心に月4、5回、「森カフェ」が開かれ、コロナ禍の癒やしを求めてやって来る大人や子どもの憩いの場になっているという。たき火で豆を焙煎(ばいせん)してコーヒーも飲めると聞き、コーヒーに目がない記者が訪ねた。

森の中で好きなことを好きなだけ

ハイジの森を拠点に自然体験活動などを企画する同市のNPO法人「わおん」が開く「森カフェ」。会場は上小曽部転作促進研修センターから5分ほど登った山の中腹だ。
カフェといっても注文した飲み物が出てくるわけではなく、ここでは自分で火をおこして湯を沸かし、お茶を飲んだり、たき火で料理したり。すべてがセルフサービスだ。
たき火台をはじめ、アウトドア用のローチェアやテーブル、やかん、鍋などの道具はすべてそろっている。「食べ物さえ持ってくれば、手ぶらでデイキャンプもできますよ」と、家族3人で“たき火ランチ”を楽しんでいた同法人の山田勇理事長(42)。
森カフェにはまって常連になり、スタッフ(コーディネーター)になってしまったという鈴木真弓さん(44、同市片丘)の指南で、まずは薪集めから。森を散策しながら落ち葉や枯れ木を拾い、太い枝はのこぎりを借りてまきにする。松ぼっくりは天然の着火剤になると教わった。
金属の棒をこすると火花が出る道具を使い、火種を作りたき火台の落ち葉に着火。金網の上で、持参したピザや冷凍の焼きおにぎり、フランクフルトなどを焼いて食べた。火加減が難しく、ピザは焦げたり半生だったりしたが、それはそれで楽しい。
コーヒーの生豆をたき火であぶる自家焙煎にも初挑戦。緑色の生豆が徐々に茶色くなり、辺りに香ばしい香りが漂う。手動ミルで粉にし、ハンドドリップで味わった。コーヒー好きにはたまらない、至福の時間を過ごした。

ハイジの森には、高さ10メートルを超すターザンロープや手作りのブランコ、子どもたちの秘密基地となるツリーハウスや、ハンモックもある。たき火を囲んで家族団らんするもよし、1人で来てゆったりとした時間を過ごすもよし。新緑がまぶしい森の中で、好きなことを好きなだけ自由に楽しめるのが森カフェの魅力だ。

【ハイジの森の森カフェ】通年開催。5月は29日、6月は6、10、19、26、29日。午前10時~午後3時。雨天中止。参加費1人500円(2歳未満無料)。新型コロナ感染予防のため、現在は事前予約制。申し込み多数の場合は人数制限も。わおんTEL0263・87・3005