【野遊びのススメ】#19 「冬キャンプ」星空と熱々料理を満喫

コロナ禍のアウトドアブームで人気のキャンプ。記者も本格的に始めて1年半になるが、冬のテント泊は経験がなかった。昨年12月中旬、北アルプスの山々や松本平が一望できる「まつもと里山キャンプ場」(松本市寿北9)で、友人らと女子3人で「冬キャンプ」を敢行した。

防寒対策はしすぎるくらいで

前日の夜にかけて降った雪がうっすらと積もったが、当日は晴れ渡り、風もないキャンプ日和。午後1時半に現地に到着し、電源付きのサイトに、まずはテントを設営する。
持参したのは、外側のフライシートの下に、5人用と2人用のインナーテントが張れるタイプ。5人用の方の床にアルミマットやインナーマット、布製の寝袋を「これでもか!」というくらい敷き詰める。何枚も重ねることで、地面からの冷気をシャットアウトできると聞いた。その上にこたつを置く。
余った空間に机やいす、クーラーボックスなどを置き、調理や食事をするスペースに。設営で動き回って体が温まった。
午後3時。青空に映える北アルプスの山々を眺めながら、日だまりの中でコーヒーを飲み、ケーキを味わう。うーん、幸せだ。
午後4時半。日が落ちてきて、徐々に寒さを感じるように。上下とも3~5枚着込んでいるが、足先がどうしても冷たい。石油ストーブに火を付け、たき火もして夕飯の準備に取りかかる。
今夜のメニューは、おでんと焼き鳥。ガスバーナーで鍋のおでんを温め、炭火の卓上コンロで肉をあぶる。夕暮れから夜へと変わってゆく景色や星空を眺めながら、熱々の料理を口にして心も体もほっこりする。
たき火のまきも尽き、夜景にも満足してテントの中へ。冷えた体をこたつで温める。一度入るとなかなか出られないのは、わが家と同じ。残ったおでんや菓子を食べながら、おしゃべりにいそしむ。一酸化炭素中毒にならないよう、換気を忘れずに。テントに覆われただけで冬の屋外にいるスリルが、なんだか楽しい。
毛布をかぶってこたつで寝たが、3人とも暑すぎて眠れないほど。「寒さで凍えて眠れないのでは?」と心配だったので、冬場のキャンプは防寒対策をしすぎるぐらいで、ちょうどよいと思った。
夏場のキャンプもいいが、冬は一層澄んだ空気の中で、満天の星空を見ながら、道具を持ち寄って工夫し、仲間と一緒に体と心を温め合う。これは、はまりそうだ。