小さなサイズの本格派
「チェコ発祥のスポーツ『スノーフィート』やってみよう」という体験会のお知らせ記事が、信濃毎日新聞1月18日付の中信面に掲載された。見出しに「まるでスケート?」ともある。いったいどんなスポーツかと興味を引かれ、同22日に会場の白馬岩岳スノーフィールド(白馬村)に向かった。
体験を予約した際、スノーフィートの輸入・販売代理店業者でつくる団体「スノーフィート・ジャパン」(東京都)の担当者に尋ねると、「最大の特徴は板がスキーより圧倒的に短く軽いこと、加えて街歩き用のブーツなどにも装着できること」という。子どものころ遊んだ、靴より一回り大きいプラスチック製のミニスキーが思い浮かぶ。
当日は雲一つない快晴。記者がスキー場に来たのは二十数年ぶりで、キラキラと輝く白銀の世界を見るだけですがすがしい気分に。「初心者はスキーかスノーボード用のブーツに装着した方が上達が早い」とも言われたため、スノボ用のブーツをレンタルしてゲレンデに向かった。
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スノーフィート・ジャパン代表の齋藤浩喜さん(31)に板を見せてもらう。サイズは記者の想像と違わなかったが、質感はミニスキーとは比べようもない本格派だ。
齋藤さんから着脱法などを教わり、「まずは平地でスケーティング」という助言に従いチャレンジ。意外とスムーズに滑れるが、スキーと比べて板が短いだけ前後の体重のかけ方が難しく、つんのめることもしばしば。
いざ滑走。「曲がりたい方に体を向ければ、勝手に曲がります」と齋藤さんは言うが、スキーと違ってこまのようにくるっと回り、後ろ向きに。ストックを持たないため、いっそう不安定だ。それでも、短い斜面を滑ってはスケーティングで上る|を繰り返すうちに多少のこつをつかみ、大きくではあるがターンができるように。初心者は膝に手を置くと、最も安定して滑れることも分かった。
久しぶりのゲレンデ滑走は爽快で大満足。持ち運びが便利なスノーフィートに大きな可能性を感じ、「気軽に雪山を楽しむきっかけになれば。そして将来は五輪種目に」という齋藤さんの言葉にうなずいた。
【スノーフィート】2018年、スノーフィート・ジャパンにより日本初導入。板の長さ38センチ、重さは片足680グラム。価格は2万1890円~。ソールに数本の筋が刻んであり、スケーティングは容易。後発でソールがスキー板とほぼ同じ「スキースケート」もある。県内では須坂市のスキー場「リワイルドニンジャスノーハイランド」でレンタルできる。問い合わせはGrow TEL03・6869・8893