【野遊びのススメ】#24 テントサウナでととのう・大自然の「水風呂」へ

アウトドアの新たな楽しみ方として近年、注目を集める「テントサウナ」。キャンプ場や水辺など好きな場所に持ち運べ、大自然の中で思う存分、プライベートサウナが楽しめるという。中信地区でも気軽に体験できる場所があると聞き、12日に行ってみた。

暑さと冷たさと開放感満喫

訪れたのは、まだ雪が残る大町市の木崎湖畔。ここで体験事業などを手掛ける「木崎湖POWWOW(パウワウ)キャンプ場&アウトドアクラブ」が、2年ほど前からテントサウナをいち早く取り入れ、通年営業している。当初はニッチなマニア向けだったが、最近は一般からも問い合わせが多いという。
その魅力について尋ねると、「まあ、とにかくやってみれば分かるから」と代表の伊藤洋平さん(44)。サウナに必須の水風呂は、目の前に広がる天然の湖だ。「入る時は念のためライフジャケットを着てね」などと一通り説明を受けた後、サウナ初心者の記者が1人で体験した。
水着に着替え、専用テントの中へ。まきストーブをたいて温度を上げ、その上で熱せられたサウナストーンに、アロマオイルを垂らした水を掛ける。発生した蒸気でサウナを楽しむ本場フィンランドの「ロウリュ」式だ。ひしゃくですくったアロマ水を焼き石に掛けると「ジュワー」と音を立てて一瞬で蒸発した。
この日のアロマはラベンダー。優しい香りがテント内に広がると同時に、室温と湿度は急上昇。温度計は90度を超え、湿度は70%余。体感温度はそれ以上で、すぐに汗びっしょりになった。
熱さに耐えきれなくなって外に出る。巨大な“水風呂”までは雪道を下ってわずか10秒だ。この日の水温は5度。意を決して水の中に飛び込むと、予想以上に冷たく、思わず「あー」と悲鳴。
でも、水から上がった後は体がポカポカ。開放感はこの上なく、五感が研ぎ澄まされた感じ。これが俗に言うサウナ用語の「ととのう」ってことなのか!?
水分補給と外気浴もしながらこれを何回か繰り返す。調子に乗って一度やってみたかった雪の中にもダイブ!一瞬少年に戻れた気がした(実際は中年のおっさんだが…)。
水着なので男女混合もOK。気の合う仲間とわいわい楽しむのもいいし、大自然を独り占めしてのんびり過ごすのもいい。最初はやや懐疑的だったが、今は断言できる。テントでサウナって最高!

【テントサウナ】 断熱性の高い専用テント内でまきストーブをたき、簡易サウナが楽しめるアイテム。キャンプテントのように解体して収納、持ち運びもできる。「POWWOW」では1日2時間半~3時間の貸し切り制で体験でき、1組3人まで6000円、5人まで8000円(11~3月は冬季料金で2000円増し)。更衣室完備だがシャワーは水のみ。TEL0261・85・2494