【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#28 作業日程、事情はそれぞれ

前回は、「雪形」を農作業のスイッチにすると書きました。でも、農事暦は人それぞれなんだなと思います。
ゴールデンウイークに入る少し前から、私の住む塩尻市広丘吉田地区のほとんどの田んぼで、トラクターが代かきをします。そして、休みに入ると、家々の駐車場には県外ナンバーの車が止まります。そうです。盆暮れより大事かもしれない一大家族イベント、「田植え」です。
皆さんのイメージは、最新鋭の田植え機が田んぼをすーっと滑るように動き、あっという間に植えていくイメージだと思います。でも、なかなかその前後で作業があるんです。
私の場合、育苗ハウスから出した苗は、育苗マットの裏にまで根を巡らせています。乱暴なようですが、鎌でその根を削らないとマットから離れません。そして、苗の補給のために、田植え機の動きに合わせて運びます。空になったマットは、来年のために水路できれいに洗います。
水路組合の仲間に聞くと、ゴールデンウイークにやる最大の理由は、都会に巣立った子どもたちの力を借りたいからだそうです。
自然農を始めて、師匠に教えをいただきながらの私の田植え時期は、イネの生態を考えて5月最終週です。3~4週間の違いがありますね。
大きな自然の農事暦とともに、家族事情に合わせた農事暦もあるんだなあと思いながら、周囲の田植えを横目に育苗を頑張ります。