【ガンズリポート】マッチレビュー 天皇杯1回戦・21日 山雅3-2北陸大

田中パ生かしたチャンス

田中パウロ淳一が松本山雅FCでの初ゴールを挙げた。公式戦出場は今季初、先発となると昨季の天皇杯3回戦以来。「大学生相手でもJリーグと同じ。ほんと大事なチャンスだった」。ツートップの一角で起用されて2得点し、チームをJ1ジュビロ磐田との2回戦(6月1日午後7時、静岡・ヤマハスタジアム)に導いた。

居残り練習リアクション能力鍛えられ

自身の2ゴール目が決勝点になった。同点にされた直後の後半15分、FW榎本樹が頭で跳ね上げたボールの落下点にいた。左足で柔らかく受け止め、振り向きざまに同じ足を振る。ゴール前の密集で、相手に詰める間を与えなかった。
「毎日練習してたんで、できたと思う」。攻撃陣は、居残りでシュート練習するのが日課。名波浩監督が出すパスは、浮き球だったり正面に来たり。リアクション能力を鍛えられてきた。
15日のJ3信州ダービーから先発全員を入れ替えた一戦で、「名波さんに言われたのは、DFラインの裏に抜けること、樹といい距離感でプレーすること。表現できたと思う」。誇った後すぐに、「休み明けに何を言われるか分からないけど」と冗談めかした。
その監督は、試合後に合格点を与えた。「プレーの選択がよかった。2ゴールを決めた。チームのプラスになってくれる」
愛称が同じMFパウリーニョが山雅に復帰した今季、チーム内での呼び名は「パウロ」から「PJ」に。フォロワー数2万2000を誇るツイッターアカウントで「Jリーグ界のプリンス」を自称し、時におちゃらけキャラで笑いを取るチームの盛り上げ役が、つかんだチャンスで結果を出した。