【小林千寿・碁縁旅人】#31 近くて遠い海外

パリの有名レストランのアールヌーボー様式トイレ

早い梅雨明けから猛暑が続く日々です。例年ならば欧州で持ち回りで開かれる欧州囲碁選手権戦に心躍る頃です。
今年は7月22日~8月7日にルーマニアの北部の高い山々に囲まれたドルナ・ワトラで開催予定です。
日本から行くには飛行機で1、2カ所経由して首都のブカレストへ。そこから現地まで300キロは、列車、バス、車でしょう。7、8月の飛行機代を調べると、往復で25万円から45万円。今はロシア、ウクライナ問題でロシア上空を飛べないために飛行距離が伸び、その上燃料費も上がり、高騰しています。
また世界のコロナ感染者数も最近は増え気味ですが、多くの国はマスクの着用義務もないので、日本から見ると心配が多いです。
今、8月末に仕事でパリに、9月半ばはアメリカ人の弟子の結婚式でニューヨークに呼ばれています。以前だったら喜んで行ったのですが、今は躊躇(ちゅうちょ)しています。
ネットで世界中に連絡が取れて、テレビ電話で顔を見ながら無料で話せる便利な時代になり世界が近いのに、海外へは何と行きにくくなったことでしょう!本当に平穏な日々が待たれます。
そんな状況ですが、近い将来の海外旅行の心得を一つ。
今回の写真は世界共通の「トイレ」です。パリの魚介類で有名なレストランですが、アールヌーボー様式のトイレ、洗面所がそのまま保存されていて素晴らしかったので、つい写真を撮ってしましました。
快適に旅するためには「その国のトイレ事情を知ること」。長年、世界中を旅して知ったことは、良いホテル、レストラン以外ではトイレットペーパー、消毒液を持参するべし。先進国でも壊れたトイレ、紙なし、手洗いの水なしなどは日常茶飯事でした。
日本は衛生的で、世界トップ。それが当たり前だと思ったら、本当に大変な思いをします。衛生的な水と紙が豊かな日本に生まれてラッキーです。(日本棋院・棋士六段、松本市出身)