【野遊びのススメ】#42 ご当地マンホール探訪

地域の特産や象徴的なものをデザイン

道路や歩道にあるマンホール。街になじんでいるので見過ごしがちだが、蓋(ふた)には地域の特産や象徴的なものをデザインした「ご当地」ものも多く、それらを巡り歩いて楽しむ人も多い。そんな愛好家“マンホーラー”の一人、平林勇一さん(69、朝日村西洗馬)に頼み、松本平のお薦めを案内してもらった。

違った視点で旅する楽しみ

出発は塩尻市で、ゴールは安曇野市。自治体の移動は車、目的地では歩いて巡る「ちょこっとツアー」だ。
塩尻市には農林水産省の農業集落排水施設がある地域があり、そこにあるマンホール蓋はそれぞれデザインが違ってユニークだという。
本(もと)洗馬地区は、登り窯にちなんだ洗馬焼と奈良井川のアユ、岩垂地区は一面に広がるレタスなどの図柄。小曽部地区には、市花のキキョウの中に白滝を描いた、親蓋(ぶた)の中に子蓋が埋め込まれている通称「親子蓋」マンホールも。小さい蓋は人間が出入りするため、大きい蓋は機械を中に入れるためのものという。
「直径60センチの蓋の中には、特産や名所、風景など、地域のシンボリックなものが入っています」と平林さん。確かに記者が知っているものでも、山形村の村木と村花のイチイとサツキ(村ふれあい児童館脇にあるカラー版)、旧梓川村(松本市)のかわいい表情のカジカとリンゴの花など、地域の特徴がぎゅっと詰まっている。
安曇野市では、合併前の旧町村時代のもの、合併後に公募でデザインを決めた新しいものが混在する。旧堀金村のカタクリとヒメギフチョウは、朝日村も同じモチーフ(役場にあるカラー版)。デザインの違いを比較すると面白い。
平林さんは「マンホールだけでなく、自分の靴(足)や影を入れるなど、写真の撮り方も一工夫すると楽しいですよ」という。火の見櫓(やぐら)が大好きで「火の見ヤグラー」を名乗る平林さんのこだわりは、蓋と火の見櫓を一緒に写す構図だ。
全国にはさまざまなデザインのマンホール蓋がある。「人と違う視点で旅をするのもお勧め。くれぐれも車に注意して楽しんで」と平林さん。マンホーラーを目指そうかなー。