【眺めてみれば】#25 北熊井城跡のつくし群生(塩尻市)

北アと競う勢いでニョキニョキ

山城の跡には350本のサクラが植えられ、時季には壮麗に彩られる。見とれて歩いていると、「中ノ城」跡で何やら足裏がサクサクする。視線を下げると、つくしが地表を埋めていた=写真は3日撮影。
とんがり帽子でヒョロッと立つ姿は、田畑の土手でおなじみ。白茶けた地味なやつだが、これだけ群れると、壮観だ。
はいつくばるようにして眺めてみれば、はるか北アルプスの山並みが重なる。ニョキニョキ、ニョキニョキ…。3千メートル峰を向こうに回し、せいぜい高さ10センチ余りのが、天を突き上げんばかりの勢いを競っているよう。
つくしはスギナの地下茎から生える。「熊井の歴史を語る会」会長の小松政幸さん(84)は、「なぜかここに固まって出て来る。よく見つけたね」と褒めてくれた。
サクラとつくし。春先限定で生命力の二重奏を楽しめる。