【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#53 温室のプールで育苗

苗8割。百姓の先輩から教わった言葉です。育苗が最も大切で、ここがうまくいけば、あとは大自然がどうにかしてくれるということでしょうか。私たち自然農法家は、薬を一切使いませんから、とても神経を使います。失敗するとさぁ大変。
最初の年は、義理の父・中村豊のやり方で、播種(はしゅ)した育苗マットを田んぼの一角にじかに置き、半円のビニールトンネルで覆いました。温度管理がとても難しいことでした。油断するとあっという間に、イネにとって危険といわれる35度を突破します。
2年目、公益財団法人自然農法国際研究開発センター(松本市波田)に相談したところ、温室内でのプール育苗がよいとのこと。
まず、畑の一角に打ち捨てられていたビニールハウスの骨組みを組み立て直しました。いびつで、農業用ポリエチレンフィルム(農ポリ)を張るとなんだかデコボコです。ですが、雨風を防ぎ、中はぽっかぽかです。
次にプール作りです。ハウス内の地面を平らに整地します。この作業は性格がもろに出ます。自然農法センターのは、ビシッと平坦(へいたん)でした。私はもちろん「なから」でいいとしています。
地面は防草シートで覆います。ホームセンターで安い角材を買ってきて枠を作り、全体に農ポリを敷いてビスで留めて、プールの出来上がりです。
これで、晴れた日の高温も、季節外れの遅霜も安心です。今年も大成功。あとは田植えだ!